小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.06.24更新

あdog本当にあった話。眼が白い、必ず早く動物病院で診療を
急性緑内障の症例。



 
 眼圧は76mmmHgありました。、犬の正常眼圧10-20mmmHgです。
 白内障を緑内障と間違えたオーナーのケース 
 柴犬のケースですが「眼が白いとなんでも白内障」と診断してしまうオーナーがいました。
このオーナーは旅行先で犬が急に『白内障』になったと電話を頂きました。
「ネットでみたら眼が白くなったら白内障と書いてあるので、帰たら診療を頼みます」との内容でした。
いやな予感がしたので、すぐに近くで眼科対応可能な動物病院の診療を薦めました。旅行を1日繰り上げて帰宅しましたが、急性緑内障(眼圧は76mmmHg)をおこし失眼してました。
 緑内障でおきる角膜の白色(フレアー)を白内障と間違いしたケースです。緑内障は早期なら視力を保てる可能性が少しはあるので残念です。また白内障と緑内障では対応が全く異なります。この例のように診断を間違えているオーナーもいます。眼が白くなったら必ず眼科対応可能な動物病院で診療をしてから次に進んでください。


 

【目の病気】
dogright arrowイヌの緑内障(Glaucoma)とは
rabbitright arrowウサギの急性緑内障
dogright arrow進行性網膜萎縮(PRA)のダックスフンド
dogright arrowドライアイの点眼薬(イヌ)
right arrow正しい点眼法

 


 

【関連記事】
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投稿者: オダガワ動物病院

2018.06.08更新

おdogイヌの緑内障(Glaucomaとは camera


 緑内障はイヌに多く、柴・コッカスパニエル・シーズーが好発犬種です。主に眼圧が高くなる病気で、この影響で視神経が束になっている視神経乳頭が障害され、眼が見えにくくなる進行性の病気です。
 ウサギ、猫でも時々診られます。緑内障の治療には一部はイヌ用がありますが、ヒト用の緑内障点眼を使用する場合が多いです。

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 ■参考 ヒトの緑内障
 
 緑内障は日本人の15人に一人はなる疾患です。視野欠損ヒトも動物同様に眼圧は10-20mmHgですがこの眼圧でも耐えられず低眼圧の緑内障もあります。ヒトでは眼のかすみ、光の回り虹が見えたり、頭痛、眼が赤くなることが主訴で来院します。視野欠損はヒトは頭部で補うため、末期で診られることが多いです。ヒトでは眼圧が40-50mmHg位になるとヒトは立っていられないそうです。
 そのため眼圧測定、眼底検査を呼びかけ、眼圧が病的に高くなく、臨床症状がない状態で早期発見に努め点眼薬で、早期治療を薦めている地方自治体も多くあります。
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 ■イヌの緑内障も急性と慢性にわかれます。

め急性緑内障

■急性緑内障
急性緑内障はcamera写真のよううに上強膜血管の怒張、角膜が多少白く診られます。この症例は初診時の眼圧は72mmHgありました。しかし緑内障初期は眼圧が正常なこともあり結膜炎と鑑別が難しい症例もあります。犬の目が赤くなったら、根本に緑内障が潜んでいる場合もあり、動物病院から帰宅後、3-4時間位でより悪化したときは再来院が重要です。恐ろしいことに急性タイプの緑内障は、犬では1-2日放置するだけで失明の危険もあります。
 諸説ありますが緑内障の「緑」はヒトでは急性緑内障時に瞳が緑色に見えることに由来します。なお著者は犬では瞳が緑色に見えることは経験してません。


 

め

め慢性緑内障

慢性緑内障
  camera写真は慢性緑内障で、点眼で眼圧を維持している柴犬です。定期検診の眼圧検査で発見されました。初診時の眼圧は55mmHgありましたが、治療に反応してくれて現在は眼圧は35-40mmHgの間で抑えられています。

 本院では眼圧が35mmHg位で臨床症状を伴う症例に緑内障点眼薬を薦めています。眼圧35mmHgの状態で、緑内障点眼をしても治る訳ではありません。眼圧が下がるのみでやめればまたあがってきます。しかし点眼薬を使用することで、進行がおさえられて3-4年後の眼圧の維持、視野の確保になります。この状態での来院はオーナーが治療をやめてしまう場合もあり残念です。

 ヒトでは眼のかすみ、光の回り虹が見えたり、頭痛、眼が赤くなることが主訴で来院されるそうですが、動物ではそれら症状は気づきにくいため初診時の眼圧は60-70mmHgと重症症例が多いです。そのためなかなか薬物ではコントロールが大変な疾患です。なお眼圧は60-70mmHgあっても動物は四つ足の関係か、普通に歩いていることが多いです。ヒトのように立ってられないことはないみたいです。

し牛眼

 慢性緑内障はこの状態で来院する場合が動物病院では最も多いです。牛眼といって写真のように目がおおきくなって来院します。緑内障になって時間が経過して来院したことを意味します。残念ながら回復は困難です。この症例の眼圧は84mmHgありました。


【緑内障点眼、関連ページ】
right arrowPF点眼とは
right arrow緑内障点眼薬 ラタノプロスト点眼
right arrow緑内障治療薬 浸透圧利尿剤

 


【関連記事】
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投稿者: オダガワ動物病院

2018.06.03更新

あdog進行性網膜萎縮(PRA)のダックスフンド


ダックスフンドの雄、10歳で3年前より家の中での動きがおかしいことで来院しました。

 ヒトの網膜は明るいところで働きますが、イヌの網膜は暗いところで働けるように眼底にタペタム{日本語訳では輝板(きばん)}という構造があります。そのためイヌは暗所でも目が光ってみえます。タベタムは1歳になるまでは青く、1歳以後は個々に黒、オレンジ、黄色など様々な色になります。

  網膜は硝子体側より内境界膜、神経繊維層、神経節細胞層、内網状層、外網状層、外境界膜、視細胞層、(以上感覚網膜)網膜色素上皮層の10層からなります。網膜は5種類の細胞があり、各層複数の細胞が存在して、他の組織とは異なる形態を示します。これら5種類の細胞は外からの刺激(光)を吸収し電気信号へと変換して脳に伝えます。最も重要な視細胞は視細胞層から外網状層あたりに存在し、明所で機能する錐体細胞と暗所で機能する杆体細胞があります。この視細胞に障害を及ぼし視力障害を呈するのが、進行性網膜萎縮という疾患です。

 

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行動の変化と、眼底所見で診断したダックス・フンド 

 進行性網膜萎縮はダックスフンドが好発犬種ですが他の犬でも発生します原因は常染色体劣性遺伝でおきます。これまでいくつかの遺伝子が発見されています。将来的には遺伝子の種類に分けて病名が変更になるかもしれない疾患です。これら遺伝子があるイヌ同志は交尾させないことが対策です。この進行性網膜変性はこれら遺伝子の異常で、視細胞(錐体細胞、杆体細胞)にアポトーシスが徐々におき発症します。発症時期は早発型と遅延型があります。

 診断は行動の変化と、眼底所見で判断します。
 行動の変化はダックスフンドの多くの場合、最初薄暗い場所で行動に変化がでます。早発型は1歳ごろから行動に変化が診られ、2-3才で眼がみえなくなることが多いです。遅延型は5歳ごろから行動に変化が診られ、7-8才で眼がみえなくなることが多いです。
 眼底検査では網膜が全体に薄くなるため、網膜の血管の狭細、タペタムの反射亢進、ノンタペタムの色素沈着が診られます。

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治療

 残念なことに進行性網膜変性は診断できても、有効な治療があるわけではありません。抗酸化剤の投与で、気持ち進行が抑えられるぐらいです。


アスタキサンチン含有サプリメント
 

 アスタキサンチンは、自然界が生み出す代表的な色素の1つです。脳関門を通過することができるため、目の病変の予防と治療に効果があるとされています。 犬では進行性網膜萎縮の初期、また白内障、緑内障の進行予防に期待されてますが、個人の感想では使用して効能はいまいちです。

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ルティン製剤含有サプリメント

 この症例はルテインを使用しましたが、効能は同様にいまいちでした。



bookright arrow緑内障とは
bookright arrow正しい点眼法
bookright arrow眼軟膏とは

 


【関連記事】
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投稿者: オダガワ動物病院

2018.06.02更新

あ

白内障薬剤  


  白内障は卵の話に例えられます。普通の眼が生卵なら、白内障の眼は目玉焼きです。
目玉焼きは生卵に戻せません。そのため薬剤は効果ないか、進行を遅らせることがやっとで、治せる薬剤はありません。数年前、新聞にヒトの白内障治療薬があまり効能がないことが記載されたこともありました。 

 ヒトでは白内障は手術疾患で、最近は技術、設備の発達で、短時間の手術時間ですむと聞きます。 動物もヒト同様、手術疾患ですが、料金が高額になる点、全身麻酔下で網膜電図が必要な場合が多く、このような十分な施設のある動物病院は多くはなく普及はしてません。
(当院でも白内障の手術には対応してませんので、動物眼科病院の紹介になります。)

 参考までに白内障用に販売されている薬剤名を記します。( )は薬剤の作用機序を示します。
 水晶体の成分は55-65%が水です。そして白内障がおきると増加する成分として水分、不溶性蛋白、過酸化脂質、Na、Ca(唾液腺ホルモンはCa低下させる)、アルドース還元酵素(ソルビトール産生阻害剤でアルドース還元酵素を抑える。)
また減少する成分では、水溶性蛋白(チオプロニン製剤で増加)、還元型グルタチオン(タチオン点眼で増加)、K、ビタミンC、Na-kATPアーゼ、Ca-ATPアーゼが報告されています。
 このように増加する成分をカットしたり、減少成分をおぎなった薬剤が多く使用されています。その他、白内障にはアスタキサンチンが視力回復、老化防止、疲れ目解消効目的で使用されています。また駆虫薬のアンサイロール(製造中止)も以前はよく使用されていました。
 ただし前記したようにヒト、動物を含めて白内障が治る点眼が開発されたり、発生をおくらせる仕組みがわかったわけではありません。個人の感想では薬剤を使用しても変化ないと考えています。

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■当院で使用経験のある白内障の薬剤

 
白内障点眼のピノレキシン

  ピノレキシンは本院では使用は積極的には薦めていません。
 白内障発症のメカニズムで1960年代の「キノイド仮説」が注目されました。
 トルプトファンやチロシンの有機アミノ酸の代謝異常で生じるキノイドが、水晶体の水溶蛋白であるクリスタルが変性して不溶化することで水晶体が濁る考え方です。そこでキノイドの蛋白変性阻害できれば、水晶体は透明に維持できると考えできたのでピノレキシンです。水晶体の水溶蛋白であるクリスタルと結合することを競合的に結合して、水溶性蛋白クリスタルの変性を防止する効果があります。そのため水晶体が白くなる前あたりの白内障には効果がある場合も考えられます。
 しかし当院では進行してから来院する場合が多く、良くなったことはありません。

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オクルベット

 海外にある動物用白内障点眼のオクルベットは薬価も高く効能が期待されましたが、劇的な変化はなく、当院では現在使用してません。
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  日本人は薬好きで、オーナーの方はなにかしてあげられることを探す方がおられます。しかし長期の点眼は防腐剤の影響も考慮しなければなりません。またサプリメントなども長期の毒性はよくかかっていない製品もあります。イヌの白内障はサプリメントで治ることを期待してしまっていることが多いですが有効な製品はありません。どうしても薬剤・点眼を使用する場合は担当獣医師と副作用などよく注意する必要があります。
 
 白内障は希に生体の反応で、水晶体の濁りが消えることがあります。なぜおきるかは詳細は不明ですが、白内障が治ったと勘違いすることがありますが、この状態は吸収と言って治った訳ではありません。水晶体レンズは薄い状態になっています。
 このような症例がたまたまサプリメント・また点眼をしていると、サプリメントの00が、点眼00が白内障に効果あるなどミスインホメーションが流れていると筆者は考えています。

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唯一治せる可能性があるのは手術のみです。
(筆者の動物病院では白内障の手術はできません。動物の眼科専門病院の紹介になります。)

 しかし動物では白内障の手術は高額でことも事実です。また年齢が高いと他にも持病があり、手術できない場合もあります。

■人の眼科の看板 
 みなさんも町を歩いていると、このような看板はよく見るとおもいます。
 この眼科病院に限らず、どの人の眼科の看板をみても、「日帰り白内障手術可能」の記載はありますが、白内障が点眼で治る看板はありません。
 残念ながら人も犬も完治には手術しかありません。

 白内障はオーナーもよく目に付き、そのためなにかしてあげたいというオーナー心理で、サプリメントや簡単に手に入る点眼が重宝しすぎる傾向があります。
 
 また人は老年性の白内障が主で進行が遅いですが、動物の白内障は遺伝性など若いうちにおき進行が早いケースもあります。

 ◆サプリメントや手に入る点眼をおこなっても良いですが、必ず動物の眼のことを知っている獣医師を受診して進めてください。
 オーナーがよしとしてやったケースが悪化したと推定されるケースを以下にあげます。
①動物用に販売されている薬剤をどこからか手に入れ悪化したケース
②白内障点眼をしていて安心してしまって悪化したメース
③また緑内障で「眼が白い」のを白内障と勘違いして来院が遅くなったケースなどがあります。

 ケースにもよりますが以上の理由で動物の眼科が好きな獣医師はサプリメントや簡単に手に入る点眼は薦めないケースが多いです。未熟白内障までなら、無処置もひとつの選択肢です。

 ◆進行して成熟白内障からは水晶体誘発性ブドウ膜炎を回避できるような使用する薬物は医療用薬品になりますので、獣医師の指導が必要です。

 ◆なお犬では稀に水晶体誘発性ブドウ膜炎が調節されて見た目白内障が治ったようにみえることもあります。
 ネットなどではこのことを「000サプリメントで白内障が治ると」形容していると推測していますが、この状態は水晶体は萎縮して良い状態とはいえません。
 また水晶体嚢は残っているので、この先なにかおきる可能性はあると筆者は推測しています。

■白内障の薬剤

◆人の研究ですが水晶体の成分は55-65%が水です。
◇そして白内障がおきると増加する成分として
水分、不溶性蛋白(ピノレキシンで低下)、過酸化脂質、Na、Ca(唾液腺ホルモンはCa低下)、アルドース還元酵素(ソルビトール産生阻害剤でアルドース還元酵素を抑える。)

◇減少する成分では、水溶性蛋白(チオプロニン製剤で増加)、還元型グルタチオン(タチオン点眼で増加)、K、ビタミンC、Na-kATPアーゼ、Ca-ATPアーゼ

◇抗酸化剤で(唾液腺ホルモン・アスタキサンチン・ルティン)が使用されています。

が報告されています。

なお赤い字は人の白内障に使用されている薬剤名を示します。
他にも使用された薬剤はあります。

◆しかし
このようにたくさん薬剤があげるのは、著効な薬剤がない証拠でもあります。


■成分名 ピノレキシン  
 写真の白内障点眼のピノレキシンの作用機序 
 白内障発症のメカニズムで1960年代の「キノイド仮説」が注目されました。
 
 ◆トルプトファンやチロシンの有機アミノ酸の代謝異常で生じるキノイドが、水晶体の水溶蛋白であるクリスタルが変性して不溶化することで水晶体が濁る考え方です。
 そこでキノイドの蛋白変性阻害できれば、水晶体は透明に維持できると考えできたのでピノレキシンです。
 水晶体の水溶蛋白であるクリスタルと結合することを競合的に結合して、水溶性蛋白クリスタルの変性を防止する効果があります。
 
 ◆この薬剤は人の老化性の白内障が適応です。老化性の白内障は作用がゆっくりなタイプです。
 そのため人では水晶体が少し白くなった位の白内障には効果がある場合も考えられます。
 
 ◆動物で遺伝性など幼犬より白内障は診られ、進行が早いことが特徴でこの薬剤は不向きと考えられます。
 また長期投与は防腐剤のことも考慮しないといけません。

■アスタキサンチンAstaxanthin
 アスタキサンチンはルティンの2.75倍の抗酸化力があるとの報告もあり、その高い抗酸化力から、人同様にペットの健康維持、老化防止の効果も期待されています。
 臨床的に白内障が治ることはありません。

■ルテイン 
 ルテインは、カロテノイドという色素の一種で野菜や果物、海草などの食品に含まれます。
 
 眼は特に活性酸素の害を受けやすいところです。ルテインは強力な抗酸化剤として活性酸素を抑え、眼の健康補助食品として注目されています。

■その他抗白内障薬
 セレン、ビタミンE、オルゴテイン、アスコルビン酸亜鉛、アセチルカルノシリンなど色々なサプリメント・薬剤の記載はありますが

◆臨床効果を示す証がなく、試験管内のみのデーターが主体です。
 
 未熟白内障での使用なら可能ですが、進行が早い場合もあり、眼の診療が好きな獣医師によく診せる必要はあります。
 
 しつこいようですが、白内障は手術で治る病気です。
抗白内障薬の点眼やサプリメントで絶対安心しないでください。

 成熟白内障からは使用する薬物は医療用薬品になりますので、獣医師の指導が必要です。


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投稿者: オダガワ動物病院

2018.06.01更新

おdog犬、白内障時の点眼の選択


あ千寿製薬、動物眼科セミナー、ハンドアウトより

白内障を発見した場合、治療法は手術や点眼療法があります。
上記の図は白内障になった場合に、失目するまでの日数を表しています。


 私たちヒトや動物が目で見ている像は、角膜、水晶体を通った光が網膜面で結像したもので、水晶体が濁っていると霞んで見えるようになります。水晶体はイヌでは直径が7mm前後の凸レンズで、水晶体嚢という透明の薄い膜に包まれています。水晶体細胞は辺縁領域から分化を開始して、赤道部(equator)で上皮細胞は水晶体線維細胞に分化し透明になります。しかし、水晶体にはこれら細胞を体外に排除する機序はなく、加齢とともに水晶体は重く厚くなります。
 
 白内障はこの水晶体細胞の分化過程に、異常が生じておきた状態を示します。その原因として、①遺伝性、②先天性、③糖尿病性、④後天性、⑤加齢性があります。ヒトは⑤加齢性が多い関係で、老年期の疾患と思はれがちですが、イヌでは①遺伝性と③糖尿病性がとくに重要視されており、若い時期がら罹患する場合もあります。

 

 グラフの向かって一番右の線は、白内障の手術をした場合の期間を表しています。当然最も成績がよい訳ですが、手術をしている動物病院が少ないこと、またヒトの白内障の手術は初期からおこなうので、点眼麻酔で、比較的短時間で終わりますが、犬では経過が進んでから、手術になってしまうことが多く、全身麻酔が必要です。そしてヒトのように短時間ではおわりません。また費用が高額になってしまう点など欠点もあります。また中ー高齢犬の場合、持病があるケースも多く、全身麻酔に踏む切れない場合もあります。
(当院では白内障手術希望の場合は、知り合いの動物眼科医の紹介になります。)

 そこで、点眼の治療で進行の遅延が可能かどうか検討がされました。グラフの真ん中の線はステロイド、また非ステロイドの点眼を使用したケースになります。一番左の線の点眼薬未使用に比べると、失目までの日数は長くなります。
 
ただし点眼薬による治療は白内障の白い目が治る訳ではありません。上記したように失目までの日数は長くなるのみですが、この論文では点眼をすることが良い選択になります。

あステロイド点眼(左2つ)と非ステロイド点眼(ジクロード®)

 しかし実際使用には注意点があります。ステロイド点眼を長期使用する場合は日頃の経過観察と適時の眼科検査が必要になります。
また非ステロイド点眼と聞くと副作用がないようおもいますが、点眼薬によっては注意が必要です。よく使用されるright arrowジクロフェナック点眼は非ステロイド系の薬剤で、論文で犬の白内障の進行を遅らせることが可能とされてることから、動物病院ではよく使用されています。
しかしright arrow角膜潰瘍の副作用をおこすことが比較的多くあります。ステロイド点眼同様、点眼して眼がしょぼつくようならすぐにやめて来院するとこが大切です。

 あプラノプロフェン(ティアローズⓇ)


  そこで最近注目されているのが、プラノプロフェン(ティアローズⓇ)の点眼です。ステロイド点眼、ジクロフェナック点眼より効能は低いですが、副作用も少なく、白内障の進行を遅らせてくれることが最近、学会で報告されています。
 本院ではオーナーの理解が得られれば、白内障の症例で、進行を遅らせる治療として、毎日の点眼を薦めています。前記したようの副作用は少ないですが、どんな薬剤でも副作用なしはありません。この点眼も定期的な眼科検査、目がじょぼつくようなら即座の来院を条件にしています。


 

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【break time】

 
flower2

 
 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.06.01更新

おdogマイボーム腺腫の犬


a14歳、避妊済みのパピオンです。
以前から上眼瞼のできものが気になっていました。
ドキシサイクリンを投与しても反応なく、
ここ1-2ヶ月増大傾向なため手術により摘出しました。

a摘出した「できもの」

この犬ちゅんは14歳にしては元気で、
血液・生化学検査、心臓レントゲンも異常なく手術に踏切りました。
また眼瞼のできものは大きいと摘出は大変な場合もあります。
このできもの5mm以下の大きであれば、短時間の麻酔は必要ですが
レーザー治療も可能です。

a
病理診断ではマイボーム腺腫で良性の腫瘍でした。

 


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