小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2014.10.02更新

■フィラリアの予防をしよう
 フィラリアとは蚊の媒介により犬の心臓や肺の血管に寄生し、血液中の栄養分を吸って生きている糸状の長さ約17~28センチの寄生虫です。
(写真は心臓に寄生していたフィラリアそのものです。ホルマリン保存のため写真フィラリアの成虫の色は変色しています。
 
 20年前は犬の死亡率で1番でしたが、現在は予防がしっかりできているため、診る事が珍しい病気になりました。
 しかし予防しなければフィラリアは感染はします。
 フィラリア症は例外を除き本院のある川崎市多摩区付近では5~11月の月1回の投薬で大部分の予防が可能です。

■フィラリアは写真のような虫が、心臓に寄生して心不全をおこす病気です。 
 写真の虫がフィラリアの成虫です。この虫が心臓に寄生しておこる病気です。蚊で媒介されます。(ホルマリン保存のため写真フィラリアの成虫の色は変色しています。)
 
 フィラリアの寄生が多くなると心臓・肺はもちろん、肝臓・腎臓などに様々な異常をきたし早期の死につながります。
 
 以上が犬にとって大変恐ろしい病気であるフィラリア症の正体です。

 フィラリアは先ほど説明したように蚊で媒介されるため、蚊の発生に併せてきちんと予防薬を投与すれば100パーセント防げる病気です。
 予防薬はフィラリア予防の対策の第一歩です。

■フィラリア検査 
 まず動物病院で血液によるフィラリア検査が必要です。
 抗原抗体法で診断します。

 ◆写真の左が陰性、右がフィラリア陽性になります。
 ◇フィラリア検査が陰性なら予防薬の投与になります。

 ◇フィラリア検査が陽性のときは血液生化学検査やレントゲン検査をして重症度判定が必要です。

 注意頂きたい点は1歳時から必ず予防をする習慣をつけて下さい。
決められた時期ずっとのんでいれば罹患することはありません。

 室内犬でもフィラリアは発生はあります。

 外犬は予防薬投与なしでは、一般に一夏経過した犬の約14%、二夏では約90%が感染するといわれています。

 また蚊取り線香では予防できません。

■集中法によるフィラリア検査 
 写真はミクロフィラリア(集中法による)の顕微鏡所見です。 
 
 現在は先ほど述べた抗原抗体法が一般的ですが、このように血液中のミクロフィラリアを直接診ることもできます。
 
 この所見の方がリアルですが、検出率がおちるため抗原抗体法が動物病院では使用されています。
 
 フィラリアの親虫は雄と雌がいて、交尾してこのような仔虫(ミクロフィラリア)ができます。
蚊が刺すことで媒介して別の犬に感染します。  
 
 このように形式でフィラリアは増殖しますが、予防薬を飲んでいれば感染は防げます。

■フィラリア予防薬 
 本院では5-11月の月1回の投与を推奨しています。
 しかし同じ登戸地域でも、蚊が多い場所(池の近くなど)は4月から飲ませたり、また12月でも飲ませている場合もいます。
蚊の発生具合とリンクします。

フィラリア予防薬剤形は
①経口薬(錠剤・チュアブルタイプ)
②皮膚滴下タイプ、
③注射
があります。
 ◆チュアブルタイプは嗜好性がよくお薦めですが食事アレルギーのある犬は申し出て下さい。

■プロハート
 今年より、皮下注射で1年間も作用続く、フィラリア予防薬の取り扱いを始めました。犬のみです。

■フェレットとフィラリア  
 フィラリアはフェレットも感染率が高い動物です。
 フィラリア予防法は犬に同じです。

■猫とフィラリア  
 猫は多くはいませんが、フィラリア症はない訳ではありません。本院では予防をしているオーナーは20%位います









作者: オダガワ動物病院