小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2012.10.31更新

猫の経口薬

猫の経口薬の欠点として、錠剤また錠剤を粉にして投与した際に涎を出して抵抗される場合が意外に多く、皮膚滴下剤開発の一因になりました。

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猫と錠剤

 猫の食道の筋肉は平滑筋で食道の運動が1-2cm/secと弱く、錠剤投与の際に食道内に残り狭窄をおこす可能性があります。そのため筆者は胃まで薬剤が通るよう念のため、必ずスポイドなどで水の追加投与を指示しています。


猫はドキシサイクリン錠剤で比較的多く生じる副作用ですが、他錠剤でもおきる可能性はあります。
ヒトでも仰向けに寝ながら水を使用しないで錠剤を飲んだ方が、後に食道狭窄になった例があります
 以上の点から猫には薬剤の確実性が要求され
皮膚滴下剤が普及している駆虫には、皮膚滴下剤の使用が最適と考えます。



ドキシサイクリン錠剤
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■猫と粉薬
 猫も薬剤は錠剤、粉剤が主流です。今回はメトロニダロールの錠剤を粉砕して投与した例について説明いたします。メトロニダロールは人体薬で回りを飲ましやすく糖衣錠になっています。
なぜ糖衣錠かというと「まずい」からです。
 動物は写真の右側の用に粉砕しての投与になります。
メトロニダロールは細菌性下痢などによく効く薬剤で、本院でもよく使用します。
しかし粉にすると、味が「ものすごくまずい」ことはよくしれていません。


本院
では注射器をスポイド代わりに使用して口の中に投与します。

 
すると「まずい」と感じた猫は涎をだして抵抗します。

 
またまた涎がでます。
 全部の猫が粉薬をあげるとこのようになる訳ではありません。このように舌がナイーブな猫は他の方法でのませないと大変なことになります。治る病気も治りません。

 他院からの転院症例で以前薬剤を飲ましたら涎がひどく、獣医師に「泡を吹く薬剤を飲まされた」なんで形容して本院を訪れた方がいましたが、今の時代「泡を吹く薬剤」を処方する獣医師はいません。
 まるで毒でも飲まされたような言い回しでしたが、動物は良かれ悪かれ正直なので、薬剤がまずいと涎をだして抵抗しているだけです。

 以上、猫の性格を考えて、投薬法を選択することが大切です。
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作者: オダガワ動物病院