小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2022.03.05更新

あ  dogイヌ無菌性結節性脂肪織炎の疑い


あ
 以前左頚部に『できもの』が発生して、二次診療施設で化膿性肉芽腫性炎と診断された15歳のイヌの症例です。
今度は右頚部に『できもの』が再発して来院しました。

 写真のような『できもの』で、その部位がはじけて膿が出てきたといった症状はなく、
発熱や元気消失、食欲不振などの全身症状もありませんでした。

あ
細胞診所見

 無菌性結節性脂肪織炎の診断はパンチバイオプシーなど皮膚生検が必要ですが、15歳と高齢で検査は無理もできず、アグレッシブな性格なためます細胞診を行いました。観察された細胞の主体は中毒性変化のない好中球で、紡錘形の細胞はマクロファージと考えられ化膿性肉芽腫性炎の疑われました。細菌は観察されませんでした。
 これまでの既往歴と細胞診の所見から無菌性結節性脂肪織炎と仮診断してオーナー了解の上プレドニゾロンを内服しました。


■2週間後の来院

あ
2週間後、右頚部に『できもの』はなくなりました。プレドニゾロンの内服は1ケ月続いてもらい減薬していく予定です。


  

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投稿者: オダガワ動物病院

2022.02.22更新

あ mouseハムスター、顎下の腫瘍


 あ
顎のしたに『できもの』を発見したので、2歳2ケ月の雄のゴールデンハムスターが来院しました。

あ
細胞診をおこないました。類円形、紡錘形の細胞が散在また集塊を形成しており軟部組織肉腫が疑われますが、裸核が多く由来までは不明でした。

『できもの』は皮下識まで至っておれず外科的に摘出は可能ですが、年齢が2歳2ケ月なためここまま経過をみることにしました。

bookリンク、ハムスターの病気、薬剤特性
mouseハムスター、前肢の腫瘍、軟部組織肉腫(soft tissue sarcoma)の疑い。
mouseウサギ・モルモット・ハムスターと抗生剤
mouseハムスターの頬袋脱出
mouseジァンガリアンハムスターの腹部腫瘍
mouseハムスターの皮膚リンパ腫
mouseウサギ、モルモット、ハムスターに安全に使用できるノミ、マダニ製剤 


  

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投稿者: オダガワ動物病院

2022.02.13更新

あ

mouseハムスター、前肢の腫瘍、軟部組織肉腫(soft tissue sarcoma)の疑い。


あ
(写真1)ジャンガリアンハムスター、前肢の腫瘍

 セカンドオピニオンの来院です。1ケ月前より1.5歳のジャンガリアンハムスター、雄、前肢に腫瘍を発見しました。
他院では腫瘍の種類の断定には至らず、薬剤(内容不明)で治療しましたが、増大する一方で断脚を検討しているとのことでした。
 ここままの大きであければ断脚はやもえませんが、年齢から考えて手術後の管理が大変の旨を伝え、当院では細胞診を行いました。


 

あ
(写真2)細胞診所見

 細胞診は中型で類円形の核をもつ紡錘形細胞が散在、集塊状に診られ、細胞形態から軟部組織肉腫が疑われる所見を得ました。
軟部組織肉腫は組織浸潤が高く切除しても再発の多い性質があり、悪性度が高ければ遠隔転移もあります。

 残念ながら、このハムスターは当院受診後5日後に容態が急変して亡くなりました。


bookリンク、ハムスターの病気、薬剤特性

mouseウサギ・モルモット・ハムスターと抗生剤
mouseハムスターの頬袋脱出
mouseジァンガリアンハムスターの腹部腫瘍
mouseハムスターの皮膚リンパ腫
mouseウサギ、モルモット、ハムスターに安全に使用できるノミ、マダニ製剤 
mouseハムスターと点眼


  

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投稿者: オダガワ動物病院

2022.01.25更新

あ tigerネコの肥満細胞腫(Mast cell tumor)


あ
(写真1)左腰背部の『しこり』
 9歳避妊ネコの左腰背部にコンマ1cm位の『しこり』ができました。


 

あ
(写真2)細胞診の顕微鏡写真
 細胞診を行い多数の肥満細胞が診られ肥満細胞腫と診断しました。
ネコの肥満細胞腫は4歳位から診られ9歳位が発生のピークになります。
この肥満細胞腫は顆粒が多く良性が予想されます。


 

あ
(写真3)手術前、毛を刈った後
 そこでプレドニゾロンを中心に治療しましたが『しこり』は小さくなりません。
肥満細胞腫は悪性の挙動を示すのは15%あり、もたもたしてたら悪性度を増す可能性もあり、今回手術に踏み切りました。


 

 

あ
(写真4)切除した『しこり』。
 これを病理組織診断しました。


 tiger病理組織診断(要約)

 切除されたマスは肥満細胞由来の腫瘍細胞が増殖しています。これらの肥満細胞は異型に乏しく、核分裂像もなく、細胞質には豊富な顆粒を含有するなど高度に分化しています。良性の挙動を示すと考えられます。

以上より総合的に判断して、切除のみで予後は良好と判断し治療をおえました。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2022.01.22更新

あ rabbitウサギの精巣腫瘍


 ウサギの精巣腫瘍は5歳位のウサギからときどき見られ、精巣の片方また両方が大きく腫れます。  
腫瘍の種類として、精上皮腫(セミノーマ)、間細胞腫(ライディッヒ細胞腫)、セルトリ細胞腫の3つがあります。


 あ
(写真1)

 この症例は7歳以上(途中から飼育したため年齢不詳)で、右の精巣がここひと月でおおきくなり(写真1)、精巣を床に擦って歩くことで来院しました。
オーナーは切除手術希望ですが高齢のため麻酔で死亡するリスクはあります。
最初に細胞診をおこないました。これですべてわかる訳ではありませんが、悪性、良生を含めて治療の方向性を専門家に聞きてみました。

 

あ
(写真2)

 細胞診(写真2)では血液成分が豊富で、細胞形態から間細胞腫(ライディッヒ細胞腫)が疑われました。
ウサギの精巣腫瘍3つの中では一番多く見られ、良性の場合が殆どで転移は少ないとされています。男性ホルモン(アンドロジェン)を分泌する細胞でです。
しかしこの症例のように精巣を床に擦って歩くと精巣の自壊も心配です。自壊が進むとそこからばい菌が入り化膿することもあります。

 手術にすすむなら血液・生化学検査、レントゲンなど追加検査も必要になりますが、年齢のこともあり手術するしないは難しい判断になります。


参考資料

正常なウサギの精巣はこんな様子です。

あ


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2020.06.23更新

あ boarモルモットの皮膚腫瘍(毛包腫 trichofollicu oms と診断されたケース)


 モルモットは犬猫に比べて悪性腫瘍が少ない動物として知られています。(悪性腫瘍がない訳ではありません。)
しかし良性腫瘍でも3-4歳になると、急に拡大する傾向があり切除が大変な症例もありました。
なお腫瘍の悪性、良性の診断、腫瘍の種類は手術で切除した組織を病理診断してわかることが多いです。

 毛包腫とは表皮嚢胞の1種で、真皮に嚢状構造物が形成され、内腔に角化物、皮脂が蓄積して、瘤状に発達します。毛包を形成する細胞(皮脂腺細胞、毛包上皮細胞、アポクリン腺細胞など)の全体が関与する最も分化した良性腫瘍と定義されています。
転移は少なく、外科的に切除すると再発のないことが知られています。
犬猫での発生はほとんどありません。モルモットではときどき発生することが報告されています。

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今回の症例は3歳の雄です。兼部に腫瘤がありました。
毛包腫の外見上の特徴は腫瘤は球形で皮膚表面にドーム状の隆起が診られます。中身は灰色から白色のカッテージチーズ様の角化物や皮脂で満たされています。
確定診断には切除して病理検査が必要です。

 以前かかっていた動物病院では様子を診るよう言われていましたが、ここ半年で皮膚腫瘍が大きくなったため転院してきました。
この症例は触診で皮下識で腫瘍が遊離していたので外科的切除可能と判断して手術を薦めました。

 麻酔をするにあたり最初に血液検査、生化学検査で肝臓、腎臓など、レントゲンで心臓も異状ないことを確認しました。
また肺にも転移ないため手術をしました。

あ
切除した皮膚腫瘍

病理の結果 毛包腫
 
皮脂腺由来の腫瘍細胞が胞巣状に増殖して、さらに毛包上皮由来の腫瘍細胞が大小の嚢胞や導管、また毛包を形成しながら増殖しています。嚢胞を形成する細胞は高度な角化傾向を示し、嚢胞内には角化物を貯留しています。一部には基底膜細胞様の細胞も増殖していましが、いずれの腫瘍細胞も異形成には乏しく核分裂像はほとんど見られません。周囲組織への浸潤性増殖、および脈管への浸潤像も認められず、マージンは確保されています。

 

あ
手術終了時の様子。当院では可能な場合は埋没縫合をしています。
埋没縫合は外糸がないので、モルモットに手術部位を多く舐められないと考えています。

 

あ
手術10日後の様子。まずまずです。
このブログを書いている時点では再発はありません。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2020.06.09更新

あ chickセキセイインコの尾脂腺腫


あ

2歳のセキセイインコのお尻に『できもの』(赤矢印)があることで来院しました。

 診療したところ『できもの』は尾脂腺腫でした。
セキセイインコの尾脂腺腫は膿瘍であることが多いです。
大きさから無麻酔によるレーザー治療を薦めました。現在検討中です。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2019.08.03更新

あ dogペキニーズの皮膚腫瘤、非腫瘍性疾患


 ありますた
5歳の雌のペキニーズです。2歳の頃より、皮膚に小さな皮膚腫瘤がありました。

細胞診では診断つかず、犬は元気ですが、今年に入り腫瘍の数もおおくなり、各腫瘍も増大傾向なため、手術をおこないました。

ありますた
切除した皮膚腫瘤

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病理検査では毛包漏斗部嚢胞でした。

病理医のコメントによれば、毛包漏斗部嚢胞は非腫瘍性病変です。毛包漏斗部に由来し、毛包開口部や表皮でみとめられるケラチンを含んでいるそうです。細胞診では診断がつかない疾患で二次炎症で臨床的に急に大きくなることはありますが手術により完治が見込まれます。単独で発生することが殆どですが、この症例のように多数発生することも希にあります。


  

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投稿者: オダガワ動物病院

2019.07.27更新

あ dog犬の肥満細胞腫(グレードⅡ)


 

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プードル、12歳雄の耳介に腫瘍(⇒)ができました。

血液検査、レントゲン検査異常なく、後日摘出手術をおこないなした。

病理検査では肥満細胞腫(グレードⅡ)という診断になりました。


 

 

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投稿者: オダガワ動物病院

2019.07.17更新

あ chickモルモット、皮膚の血管肉腫


 紫陽花
症例は6歳、雌のモルモツトです。肩甲骨部位の左側に腫瘤がみつかり来院しました。

紫陽花
細胞診をすると血液成分が吸引されましたが腫瘤の特定には至りませんでした。

血液検査、レントゲン検査異常なく、オーナーの希望もあり後日摘出手術をおこないなした。

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手術で摘出した腫瘤。

AHCC)
術後1週間の写真、抜糸もおわりました。

 手術後の回復も順調に進みましたが、病理検査では皮膚の血管肉腫との診断されました。
病理医のコメントを引用すれば、皮膚の血管肉腫は希な腫瘍ですが、モルモットでは血管肉腫は好発するそうです。
当院では何例かモルモットの皮膚腫瘍の摘出手術をしてますが、皮膚の血管肉腫は初めてです。
この症例は中程度の悪性度があるので、今後も経過観察が必要とのことです。

AHCC

モルモットは抗がん剤の使用は不明な点が多いため、
抗腫瘍性サプリメント(AHCC)を投与して経過をみています。


 

 

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投稿者: オダガワ動物病院

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