モルモットの角膜潰瘍、ジクロフェナク点眼で悪化が疑がわれた例(川崎市多摩区、オダガワ動物病院)
2020.08.26更新
■モルモットの角膜潰瘍、ジクロフェナク点眼で悪化が疑がわれた例
ジクロフェナク点眼は非ステロイド点眼に属する薬剤です。獣医療では結膜などの炎症止めやイヌの白内障の進行が遅らせることが報告され使用さることがあります。
非ステロイド点眼と聞くと副作用が少ないよう聞こえますが、使用法を熟知しないとイヌでは角膜潰瘍を起こすことが知られています。ヒトでもジクロフェナク点眼により同様の副作用も報告されています。今回モルモットの角膜潰瘍でジクロフェナク点眼で悪化が疑がわれた例を経験したのでここに記載します。
(写真1)
4歳10ケ月の雄のモルモットです。2週間前、他院で角膜潰瘍と診断され、ジクロフェナク点眼とヒアルロン酸点眼を処方されましたが、よくならず当院に来院しました。(写真1)
(写真2)
眼検査
ダズル反応はありました。stt-1 15mm、フルオルテストで眼の中央部分が緑に染まり角膜潰瘍と診断しました。(写真2)また潰瘍部分の細胞診では細菌は陰性でしたが好中球が診られました。
当院では防腐剤なしの抗生物質点眼、ヒアルロン酸点眼を使用しました。またオーナーが可能であれば6時間ごとの点眼を指示しました。
(写真3)
10日後の来院。たいぶよくなりました。(写真3)
まだ完治はしてませんが、stt-1 8mm、フルオルテストも陰性になり、細胞診では好中球も診られません。
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