猫の腎臓病 ステージ2(川崎市多摩区、オダガワ動物病院)
2018.05.02更新
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2018.05.02更新
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2018.05.02更新
■猫の無菌性膀胱炎疑い
他院で約3ヶ月前にストロバイト結晶で血尿をおこした10歳の雄ネコです。
今回も同様に血尿になり来院しました。
エコー検査で結石はなく、尿検査はpH7.0、潜血(++)、蛋白(++)、沈査は赤血球のみで、ストロバイト結晶(-)、白血球(-)、グラム染色したところ殆ど細菌は染色されませんでした。
本院での所見は3ヶ月前とは異なりストロバイト結晶はありませんでした。
沈査のグラム染色したところ殆ど細菌は染色されず、細菌性も否定的です。
もう1匹ネコがいて仲はわるいそうです。
以上の所見から、ネコに多い無菌性膀胱炎と診断しました。
ネコはストレスなどによってこの無菌性膀胱炎に罹患することが多い動物です。
c/dマルチケアー
この症例は血尿は二回目ですが、 無菌性膀胱炎の未然の予防法として加水分解ミルクプロテイン、トルプトファン配合されたc/dマルチケアーがお薦めです。
無菌性膀胱炎は完全には治りませんが、回数は抑えられ、よりよい生活ができることが多いです。
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2018.05.01更新
■猫の血圧
本院の血圧測定風景。
本院の機種は臨床的意義の高い
収縮期血圧のみの測定になります。
またアクティブな猫には測定できない場合もあります。
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●猫の血圧は(研究会資料より。)
文献 個体数 収縮期血圧 平均血圧 拡張期血圧
Bodey et al. 104 139±27 99±27 77±25
Mishino et al. 60 115±10 96±12 74±11
猫種、肥満による差はありません。血圧単位 mmHg
このような記録があります。
血圧は興奮で変動するので、できるだけ安静にして測ることが大切です。
諸条件と合わせての診断になります。
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●高血圧
原因が不明な一次性と原因臓器が考えられる二次性に分かれます。
高血圧により障害を受けやすい、標的臓器として、腎臓、脳、心臓、眼があります。
血圧は下記のようにグレード分けします。(研究会資料より)
グレード 収縮期血圧 拡張期血圧 標的臓器障害の程度
❶ 150未満 95未満 最少
❷ 150-159 95-99 軽度
❸ 160-179 100-119 中程度
❹ 180以上 120以上 重度
血圧単位 mmHg
❸。❹になると降圧剤が必要です。
本院ではこの値を基準に治療にあたっています。
降圧剤は病状により変わりますので、本院以外で薬剤を処方されている方は
担当獣医師にお尋ねください。
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2018.05.01更新
■猫、ストロバイト結晶の症例
雄猫は尿がつまると、この様な姿勢を取ります。
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カテーテルの挿入して尿をだします。重度に詰まっていると麻酔が必要なこともあります。またストロバイトで尿がでなくなると、3-4日間で猫は死亡します。早く動物病院にいってください。
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⇩の結晶がストロバイトになります。
ストロバイト結晶は猫の体質でできます。尿路閉塞解除後、予防法としてPHコントロール(ロイヤルカナン)、C/D(ヒルズ)の食事に変更することで95%以上は再発はしません。しかし食事の効果は約3週間かかるので、その間には再発のある可能性はあります。
当院のデーターでは、尿路閉塞解除後、普通の食事に戻すと70%のネコは再発します。そのため一度ストロバイト結晶になったら、他に病気のない限り一生の上記の食事へ変更を薦めます。70%のネコは再発するので、再び尿路閉塞になって動物病院を受診するより、食事を変えた方が経済面でも、健康面でも賢明です。
多頭飼育で食事の変更が無理な方にはサプリメントをお薦めします。
当院ではゼンラーゼ®を薦めています。錠剤が苦手な方には、写真右のペースト状の薬剤がお薦めです。共に推奨量で初めてもらいますが、様子をみて、減量してもらっています。反応の良い個体は推奨量の1/3量で維持可能な猫もいます。
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2018.04.20更新
■ウサギの赤い尿
地元、川崎市多摩区登戸新町の方より、購入したばかりのウサギの尿が赤いので診てほしいと依頼がありました。
早速、尿検査をおこないました。人や犬猫でも、尿が赤ければいろいろな疾患が考えられます。
うさぎはCaが腎臓から排泄されるので、正常で少々濁った尿にみえます。
またときには正常でも赤みのかかった尿にみえることもあります。
正常、異常の鑑別は尿検査でおこないます。尿検査で潜血が陽性なら、どのかに疾患があると考えた方が賢明です。
紹介した症例は潜血が陽性で、レントゲン検査では結石はありませんでした。
うさぎは膣前庭が広く、尿と帯下の区別はつきにくい動物です。
抗生剤を1週間のんで、尿潜血が治らない場合や、再度おきる場合はたいてい子宮に腫瘍がある場合が殆どです。
この症例も手術をしました。
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2018.04.19更新
■ウサギの赤い尿
持参した尿
地元川崎市多摩区登戸から来院した4才雄のうさぎです。
本日血尿かもしれないとことこで尿持参で来院しました。
ウサギは正常でも尿が赤色になることがある動物です。
治療対称であるかどうかは、尿検査で判断します。
尿の色が赤くみえていても、尿検査で潜血が陰性なら、治療の対称ではありません。
この症例は尿潜血陰性なので、無処置としました。またウサギのpHは正常でアルカリです。
このような症例は時々来院します。
本院の経験では、①うさぎの長期のペットホテルや、②うさぎが遠くから来院すると、いつも肉眼では尿が赤くなる症例を経験しています。何れも尿潜血は陰性でした。
そのため個人的にはストレスも関係していると推察しています。
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■しかし尿潜血陽性の場合
膀胱結石、子宮・卵巣腫瘍などの場合もありますので、注意は必要です。
膀胱結石
子宮・卵巣腫瘍
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2018.04.01更新
■ウサギの尿路結石
7歳の雄ウサギです。急に尿が出なくなったことで来院しました。
レントゲンと触診で陰茎部の結石と診断がつきました。
結石を摘出するところ
摘出した結石
手術後、その後よくなりました。
今回は陰茎部なので摘出可能でしたが、骨盤内だと厳しいです。
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2018.03.20更新
■腎臓疾患の文鳥
3才雄の文鳥が来院しました。全く元気がないとのことです。他の動物病院で薬を2週間のましましたが、全く変わらないそうです。体重も18グラムしかなく、痩せていました。
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レントゲン検査ではおおきな異常はありませんでした。
血液検査では白血球は推定10000/μLありましたが、リンパ球は低く、単球が増加していました。PCVは54%、TPが4.4(g/dl)UAは17(mg/dl)、GOTは142(IU/L)でした。
脱水がありこれ以上の血液は採取できませんでした。
検便・尿検査でも異常はありませんでした。
以上の所見より、UAは17(mg/dl)より腎不全と診断しました。
入院中は皮下補液で経過をみてました。現在はクレメジンなどを飲水投与してもらい経過観察中ですが、体重の減少が早いので、予後は心配です。腎疾患は3才など比較的若い鳥にもときどき診られます。
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■小鳥診療に慣れた動物病院で検便をお勧めします。
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2018.03.06更新
■難治性膀胱炎のモルモット
モルモットの4歳です。他院で膀胱結石は自然排泄したが、血尿が止まらないことで来院しました。
他院ではエンロフロキサシン、抗プラスミン剤を投与してました。また本院での、触診、レントゲン検査ではとくに異常はありません。
モルモットは尿中にCaが排泄されるので、写真のように正常で沈査に残ります。
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尿検査でも潜血は陽性です。
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尿沈査で好中球が診られました。本院では異なる抗生剤に非ステロイドを併用してみました。
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