ウサギの保護施設からいただいた幼ウサギです。
耳介、前肢、後肢に痂皮、鱗屑が診られ、
皮疹からは疥癬が疑われる所見です。
しかし皮膚掻爬検査を実施しましたが、疥癬は発見されませんでした。
皮疹の所見を優先して、本日はイベルメクチン系の薬剤を処置しました。
また真菌の検査もしました。
写真は真菌培養7日目の写真です。
真菌培地(DTM培地)の色が3日目位から変わり陽性をしめしました。
同定するとMicrosporum gypseum(石膏状小胞子菌)と推定される大分生子が診られました。
【14日後の来院】
14日後の診察、予後はイベルメクチン系の薬剤で3日位でよくなったそうです。
初診時の皮疹、薬剤への反応から、
疥癬が強くうたがわれました。
そのため同定したMicrosporum gypseumは感染菌でなく、付着菌と判断しました。
疥癬が強くうたがわれる皮疹なので、もう1回イベルメクチン系の薬剤を投与しました。
その後良好です。
なお ウサギのノミ、ダニ駆虫剤は注意が必要です。
よくかかりつけ獣医師とお話しして使用してください。
他の動物の疥癬症
■ モルモットの疥癬
■ セキセイインコの疥癬
■ ボーダーコリーの疥癬症
■ 犬疥癬はヒトに接触感染します
■ 本院で診断のついた、ウサギの疥癬症
【関連記事】
■ 犬の診療
■ 猫の診療
■ ウサギの診療
■ ハムスターの診療
■ フェレットの診療
■ 小鳥の診療
■ モルモットの診療