モルモットの乳腺腫瘍 手術を希望しないケース(川崎市多摩区、オダガワ動物病院)

 

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■ モルモットの乳腺腫瘍 手術を希望しないケース


  ご注意

このホームページに記載されている疾患の予後、
薬剤の説明、他の動物病院の処方薬剤、

インターネットに記載されている薬剤などの
電話相談は診この症例は療の妨げになりますので
お断りしています。

当院での診察、薬剤希望の方はペットをつれて来院ください。


4歳雌のモルモットの左乳腺にコンマ1cmのしこりが見られセカンドオピニオンで来院しました。(写真のクロマルのあたり)

触診より乳腺腫瘍と診断しました。オーナーはできたらできたらこのままで維持できることを望んでいました。

当院で手術で摘出した乳腺腫瘍の病理検査は70%位が良性腫瘍、30%位が悪性腫瘍です。しかし施設によっては悪性が70%-80%を占め肺転移がみられる症例もあり、健康であれば手術が最適な選択になることを話しました。
 本日はオーナー意向も加味して、乳腺の細胞診を行い、抗腫瘍性サプリメントを処方しました。


乳腺の細胞診
 多数の変性した好中球が観察され、リンパ球もマクロファージも散在されます。角化物、角化上皮細胞もみられますが、悪性所見はありません。細胞診では化膿性炎症と診断されますが、角化物が多いことから上皮性良性腫瘍の可能性も完全に否定されません。

 乳腺腫瘍にエビデンスのある内科的な治療はありません。本症例はこのままにして大きさに変化なく一生おくることができればよいですが、7-8年位生きるモルモットがこの状態を3-4年続けられるかと考えると疑問が生じます。私の経験では時がたつと乳頭から血の混じった分泌物がみられたり、腫瘍が大きくなり自潰したケースも経験しています。

この症例は『しこり』の大きさに注意してもらい、必要に応じて細胞診をおこない様子をみることにしました。モルモットは脚が短いため腹部の『しこり』は大きくなった場合は発見しずらい点が欠点です。

また本症例は雌ですが、モルモットは雄でもよく乳腺腫瘍は発生します。当院では1/3位が雄と記憶しています。
大学の病理学教室と開業医の共同論文でも同様の報告もあります。


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