猫のコクシジウム(川崎市多摩区、オダガワ動物病院)

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■ 猫のコクシジウム


  子猫(生後2ヶ月)でワクチン希望で来院されました。
検便したところコクジウムが発見された症例です。
便の状態は普通でした。

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本症例の猫のコクシジウム
(上、未感染卵、下、感染卵)


猫のコクシジウムはイソスポラ科(オーシスト内のスポロシスト2つ、スポロシスト内のスポロゾイト4つ)の経口感染でおきます。(Isospora felis、虫卵40×30um・Isospora rivolta、虫卵18-28×16-23um
 子猫では今回のようにワクチン時の検便で偶然発見されるケースや、また頻回の下痢を起こして来院したケースもあります。なお子猫の下痢は死亡することがありますので注意が必要です。ストレスがかかると急に感染がすすむこともありますので、コクジウムを発見したら、サルファ剤による基本的な駆虫治療と、栄養状態を含めた全身状態のチェック、生活全般にわたる指導が必要です。
 また可能なら既往症(猫エイズ、猫白血病が陽性ですと駆虫を妨げることもあり)の検査も大切です。

しかし臨床ではサルファ剤ではなかなか駆虫できないケースもあり、 犬用コクシジウム駆除剤、プロコックス®の使用が良い意見もあります。まだ個体数が少ない点が欠点ですが、最近、効果ある論文が多くでています。(下記)
当院ではプロコッカス®を使用したあとは、2週間後に再度駆虫薬を投与するように指示してます。

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以前から使用されていたサルファ剤はコクシジウムの特異的駆虫剤ではありませんが無性生殖生活環の最後部分のtrophozoiteからschizontの発育最終段階の抑制に有効です。免疫状態は猫のより異なり、環境の掃除も必要なので投与期間は様々です。効果がでるまで最低7日はかかります。具体的なサルファ剤はスルファジメチキシン(アプシード®)よりスルファモノメトシキン(ダイメトン®)製剤が良い意見が多いです。

猫のコクシジウムの生活史はほほ犬と同じです。
またコクシジウムは便に排泄されて24時間たってから、感染型にかわります。そのため猫のトイレの掃除は早くおこなわないと環境中に虫卵をまく形になり再感染がおこります。さらには他の個体への感染原因になります。また便が猫の毛ついた場合は、この付いた便が感染型に変化しますので、シャンプーで洗いおとすことが大切です

消毒薬には抵抗を示すので使用した器具は熱湯などかけるのが最適です。駆虫は時間がかかる場合もあります。

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