ウサギの精巣腫瘍(川崎市多摩区、オダガワ動物病院)

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■ ウサギの精巣腫瘍


ウサギの精巣腫瘍は5歳位のウサギからときどき見られ、精巣の片方また両方が大きく腫れます。  
腫瘍の種類として、精上皮腫(セミノーマ)、間細胞腫(ライディッヒ細胞腫)、セルトリ細胞腫の3つがあります。



(写真1)

 この症例は7歳以上(途中から飼育したため年齢不詳)で、右の精巣がここひと月でおおきくなり(写真1)、精巣を床に擦って歩くことで来院しました。
オーナーは切除手術希望ですが高齢のため麻酔で死亡するリスクはあります。
最初に細胞診をおこないました。これですべてわかる訳ではありませんが、悪性、良生を含めて治療の方向性を専門家に聞きてみました。

 


(写真2)

細胞診(写真2)では血液成分が豊富で、細胞形態から間細胞腫(ライディッヒ細胞腫)が疑われました。
ウサギの精巣腫瘍3つの中では一番多く見られ、良性の場合が殆どで転移は少ないとされています。男性ホルモン(アンドロジェン)を分泌する細胞でです。
しかしこの症例のように精巣を床に擦って歩くと精巣の自壊も心配です。自壊が進むとそこからばい菌が入り化膿することもあります。

手術にすすむなら血液・生化学検査、レントゲンなど追加検査も必要になりますが、年齢のこともあり手術するしないは難しい判断になります。


参考資料

正常なウサギの精巣はこんな様子です。


 

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