幼少期、犬のアレルギー(川崎市多摩区、オダガワ動物病院)


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 ■ 幼少期、犬のアレルギー


生後9ケ月のチワワが顔面のかゆみを訴え来院しました。両目眼瞼、唇が炎症をおこしてました。皮疹の状態、皮膚検査から細菌性、真菌性、疥癬、ニキビダニなど感染性皮膚病はルールアウトできました。2ケ月前にも同様な症状がありましたが自然に治ったそうです。アレルギーが示唆される症状なので今回はアポキル®を処方しその後良好に改善しました。同様な症状は2回目なためオーナーさんも原因を気にされていました。

1歳未満のイヌは消化管がまだ十分に発達なしてないため腸の免疫機能が十分確立されておらず、食事アレルギーを発症しやすいとされています。食事に含まれる蛋白質、また食品添加物などの過敏な反応で皮膚症状や消化器症状を起こします。一定の年齢に達すると治ることもあるため食事アレルギーより食物過敏症の名称が適切では言う意見もあります。

食事アレルギーの診断には除去食試験をおこないます。
食物アレルギー用の療法食には2つの種類があります。
 ひとつはタンパク質源を鹿肉・ラム肉・カンガルー・魚など、今までに食べたことのない新奇タンパク質に置き換えたフードに変更する方法です。(ロイヤルカナン社ならセレクトプロテイン、ヒルズ社ならd/dがここに入ります。)

もう1つは加水分解タンパクやアミノ酸を使用した食事です。加水分解タンパクとは消化酵素などを用いて分子量を小さく状態にまで分解したタンパク質で免疫細胞にアレルゲンとして認識されにくいという特性があります。(ロイヤルカナン社なら低分子プロテイン、ヒルズ社ならz/dがここに入ります。)

可能なら上記のごはんを1ケ月間、続けてもらい皮膚のかゆみの具合をみてきめていきます。

この症例は今のところラム肉のドックフードにかえてからはアレルギーが示唆される症状はでていません。


 

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