オダガワ動物病院
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平成14年10月11日(月・祝) |
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要旨
はじめに:兔の子宮・卵巣腫瘍は臨床上時々みられる疾患である。兔において無症状で進行することが知られている。今回、私は子宮・卵巣腫瘍の6症例に対し、臨床的評価と予後について検討を行ったのでその概要を報告する。
対象病例と診断方法:対象病例は2001年10月から2002年8月の過去約1年間に本院に来院した6例とした。兔種はロップイヤー1例、ネザーランドドワーフ2例、ダッチ3例であり、体重1.4〜3.4kg、来院時の初診年齢は2.3〜5.1歳であった。一次診療は2例、二次診療が4例であった。診断は問診で持続性の血尿が4例、呼吸困難1例、食欲不振1例、排尿疼痛1例を呈した。持続性の血尿の4例は尿検査、レントゲン検査、抗生物質(Efx10mg/kg bid po)の2週間のトライアル治療で他の血尿の原因である・ポルフィリン尿・膀胱結石・膀胱炎をルールアウトした後、試験切開に踏み切り診断した。残り2例は画像のみで判断した。腹部触診では6症例中4例(66.4%)について、また画像診断はレントゲン検査で4症例(66.4%)で腫大した子宮が確認された。エコー検査では実施した5症例中4例(80%)について異常がみられた。血液検査では再生性貧血(Ret7.6%)を呈した症例が1例(16.6%)あった。生化学検査は有意な変化は認められなかった。
結果:本院で病理診断を行った兔の全腫瘍疾患の中で40%を占め、腫瘍の中では一番多くの症例があった。処置は卵巣・子宮全摘出を全症例に試みた。病理診断は6症例とも様々で、その内訳はシュワン腫、平滑筋腫および血管内皮腫、子宮内膜過形成、内膜癌、子宮腫瘤、子宮体部癌あり、悪性比率は66.7%であった。病理診断および術前の肺のレントゲン像から肺やその他の臓器への転移は1例(16.6%)診られた。予後は腫瘍が複数存在し臨床症状の悪い3症例(50%)は手術後2日、30日、5日で死亡した。残りの症例は現在生存している。
考察:年齢が若く、腫瘍も複数存在していない症例は、予後が良い。そのため2歳時より定期的に尿検査、レントゲン検査、エコー検査を行い、早期に発見に努めることが重要である。また卵巣・子宮全摘出も有効と思われる。
学会発表用原稿(一部訂正) 兔の卵巣・子宮腫瘍は兔の臨床において時々診られる疾患です。今回は本院を受診した6例について検討しましたので、ここに報告します。 本院に過去約1年間に来院した兔の腫瘍疾患を示しました。卵巣・子宮腫瘍は6例一番多い症例数がありました。 |
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兔の種類 6例の卵巣・子宮腫瘍卵巣の兔を種類別にわけるとスライドのようになります。ダッチ3例、ネザーランドドアーフ2例、ロップイヤー1例でした。 |
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来院時の初診年齢・体重 来院時の初診年齢は2.3〜5.1歳であった。体重1.4〜3.4kgでした。 |
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臨床症状
一次診療は2例、二次診療が4例であった。診断は問診で持続性の血尿が4例、呼吸困難1例、食欲不振1例、排尿疼痛1例を呈した。 |
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兔は膣前庭が広く、子宮からのおりものと血尿の区別がつきにくい動物である。そのため持続性の血尿の4例は尿検査、レントゲン検査、抗生物質(Efx10mg/kg bid po)の2週間のトライアル治療で他の血尿の原因である・ポルフィリン尿・膀胱結石・膀胱炎をルールアウトした後、試験切開に踏み切り診断した。残り2例は画像のみで判断した。 |
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腹部触診 6症例中4例(66.4%)に腫大した子宮が確認された。しかしあとで思えば、もっとよく触診していれば、100%診断可能であったと考えられる。 |
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画像診断 画像診断はレントゲン検査で4症例(66.4%)で腫大した子宮が確認された。エコー検査では実施した5症例中4例(80%)について異常がみられた。 |
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病理診断 処置は卵巣・子宮全摘出を全症例に試みた。病理診断は6症例とも様々で、その内訳はシュワン腫、平滑筋腫および血管内皮腫、子宮内膜過形成、内膜癌、子宮腫瘤、子宮体部癌あり、予後は腫瘍が複数存在し臨床症状の悪い3症例(50%)は手術後2日、30日、5日で死亡した。残りの症例は現在生存している。 |
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悪性比率 悪性比率は66.7%であった。 |
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6例中5例が両側疾患でした。内膜癌の1例が片側のみでした。 |
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転移有無 病理診断および術前の肺のレントゲン像から肺やその他の臓器への転移は2例(33.2%)6例中4例が転移ありませんでした。 |
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リンパ節転移 半分の症例がリンパに転移してました。 |
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2週間前より血尿。他院にて抗生剤や止血剤で治療したがよくならず、本院に転院。 |
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血液・尿検査 初診時の触診では異常はなかった。尿検査でOB(+)だった。 |
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画像診断 レントゲン検査では異常はなかった。エコー検査では、後に思えばエコーフリーの子宮の陰影が観察された。本院では抗生物質(Efx10mg/kg bid po)の2週間のトライアル治療をおこなったが、血尿は改善せず、試験開腹をおこなう。 |
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2週間後の来院時、触診で子宮とおもはれる物を触知した。卵巣・子宮摘出を行う。 写真は手術により摘出した子宮です。 その後、血尿も止まり、現在元気に生活している。 |
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病理診断結果子宮内膜過形成 備考:子宮内膜上皮は過形成的に増殖しており、ときに大きな嚢胞を形成しています。また、筋層内の血管が至るところで拡張し、間質は粘液性に浮腫状を呈しています。粘膜固有層は部分的に強い浮腫状ですが、粘膜および筋層には炎症性応答を示す所見はほとんどまったくみられません。機能性の充血と過形成反応と思われます。 |
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1週間前より血の固まりのような尿。食欲がなくなる。ぺレット食べず、野菜のみ。他院で膀胱炎と言はれてエンロフロキサシンとプリンペランを1週間処方され治療していた。よくならず本院に転院。 |
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血液・尿検査 触診で腹部に腫瘤を発見し、子宮の腫瘍を疑う。 尿検査ではOBが(+)で間欠的に血尿が診られた。また排尿時、疼痛を伴った。CBC、ChemistryはCPKの上昇を除き、異常はなかった。 |
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血液・尿検査 初診時の触診では異常はなかった。尿検査でOB(+)だった。 |
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画像診断
レントゲンでは腫大した子宮が発見された。 |
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摘出した卵巣・子宮。膀胱、膣前庭まで癌は浸潤していた。 |
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診断名子宮体部癌 備考・非常に旺盛な増殖を示す乳頭状腺癌です。癌組織は子宮粘膜と密接な関係を保っており、子宮原発の腺癌とみて間違いありません。転移徴候は頻繁に存在します。卵巣のものも転移巣です。 |
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総括 年齢が若く、腫瘍も複数存在していない症例は、予後が良い。そのため2歳時より定期的に尿検査、レントゲン検査、エコー検査を行い、早期に発見に努めることが重要である。また卵巣・子宮全摘出も有効と思われる。 |
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