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モルモットの診療カルテ

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モルモットの基礎知識

モルモットの基礎知識

和名:テンジクネズミ
米名:Guinea pig Cavy
南米:ピリア ブラジル ポルキョン・ダ・インディア
学名:Cavia porcellus
染色体 2n=64

間違えられた名ばかり

モルモットはオランダ人がマーモット類というリス科のタルバーガン、ウッチャンックに似ているため間違えてつけられた。マーモットがはもってモルモットになったらしい。
英語ではギニア・ピッグ。豚に体型が似ているためつけられた。
日本名はテンジクネズミ。日本には江戸時代オランダ人により伝わる。テンジクとは当時の日本ではインドのことをさしていた。外国から来たネズミと言う意味でつけられたみたい。蘭学としてつたえられ、明治初期モルモットと言う名が日本でも定着した。

歴史

紀元前1000年に家畜化され、3000年以上前から肉をとるため飼われていた。1530年スペインがインカ帝国を攻めた時、すでに家畜化されていた。1600年ドイツ兵により、ヨーロッパに普及した。
実験動物としては1780年ラボイザーが発熱実験に使用。日本には江戸時代オランダ人により持ち込まれた。

飼育

住居原産地、南米コロンビア-ガイアナ低い木や草のはえた土地に、巣穴を掘ってむれを作って生活をしている多頭飼育が可能。しかしペットとして雄雌を一緒に飼うと、無秩序に子供を産む。雌どうしは良いが、雄どうしはまれにけんかする。雄の去勢は容易にできる。

野生のモルモットペットのモルモットに比べ、小さく、鼻がとがっている。原産地はコロンビアからガイアナ地方の低い木や草の生えた土地に穴を掘って、5〜10匹の群れで生活している。

モルモツトの生理

モルモットは周年発情動物である。発情周期は15〜17日。非季節性、多発情動物。性成熟は雌2ヶ月、雄3ヶ月。自然排卵する。発情前期になると雌は活発になる。他のモルモットを追い回す発情期は6〜11時間続き、交尾反射をみせる。成熟雌の膣膜は約2日間開いている。交尾は膣栓で確認可能である。凝固腺・精嚢腺の液(精しょう)ともに働き、空気にふれ固まり膣栓のもとを作り、精子の逆流を防いでいる。

妊娠期間は60〜70日である。2〜4匹生まれる。乳房は2つある。雌が子を食べることはまずないと考えられる。赤ちゃんは生まれてすぐ、歯も毛もはえて、眼も開いている。生まれて1〜2時間で乳だけでなく、軟らかい餌も食べる。他の子供でもわけへだてなく世話する。

交配は必ず6ヶ月以内に行うこと。6ヶ月以後の交配は、出産時にリラキシンが出ても恥骨結合が開かない。帝王切開になる。モルモットにおける帝王切開の予後は良くない。

泌尿器・生殖器、雄には陰茎骨がある。勃起時は陰茎先端に突起がみられる。副生殖腺は精嚢腺、前立腺、凝固腺、尿道球腺がある。特に精嚢腺はコルク状に発達している。雌の子宮は分裂子宮。

モルモットのTPR

体温37.5〜39.5度・心拍数230〜380回/分・呼吸数42〜104回/分
体重 雄900〜1200g、雌700〜900g
寿命5〜6年

モルモットの種類

イングリシュ種

イングリシュ種
なめらかな短毛イギリス品種改良された短毛種で毛が3〜4cmでと短いなめらかでつやつやです。アメリカ最大のブリーダーではアメリカンと呼んでいる。

アビシニアン種

アビシニアン種
固い毛で巻き毛イギルスで愛玩用として作られた。毛は硬く、短毛で体全体にふさふさした巻き毛におおわれている。色は白、黒、褐色、2〜3色の組み合わせからなる。

ペルビアン種

ペルビアン種
パリで作られ、絹のように柔らかい毛で、巻き毛もいます。12センチ以上の毛もいて、アンゴラと呼ばれている。背中や頭より胸腹の毛が伸びているものをシルキーと言う。そして巻き毛のものをシェルティーという。

スキニーギニアピック(Skinney Guinea pig)

その他クレスト・頭部のみに巻き毛のあるものテディ・密集した縮れ毛レックス毛・テディの密集した縮れ毛の長い種類

色の分類:セルフ1色のみノンセルフ帯、アーチ型、斑、三毛さまざま

モルモツトの食べ物

完全草食性野草の茎・根・樹脂など栄養が乏しく、食物繊維の多いものを与える。過食はしない動物である。
ペレット、干し草、鳥フード、野菜

ペレット モルモットフードの1例
蛋白質20.6%・ 脂肪2.6%・炭水化物35%・灰分7.9%
アスコルビン酸、餌の中には800mg/kg必要。22度以下で保存して、90日以内に使用すること。アスコルビン酸の濃度が十分に保てない為。

野菜・果物与えてよい野菜
ニンジン・ブロッコリー・パセリ・カブの葉・青梗菜・大根葉・小松菜・サラダ菜・セロリ・みつば・カリフラワーリンゴ・メロン・ブドウ・イチゴ・バナナ・パイン

あげない方が良い
じゃがいもの芽と皮・生の豆・にんにく・タマネギ・にらなどアボガド

種子
ヒエ・アワ・キビ・カナリアンシード・アサノミ・大豆 ・落花生・エン麦・大麦・小麦・ふすま
ピーナッツは腐るとアフラトキシンが発生。高脂肪のヒマワリ・アーモンド・ピーナッツ・クルミはひかえる

野草
たんぽぽ・はこべ・クローバー・ペンペン草・ノコギロソウ・ヒレハリソウ・イタリアングラス・ アルファルファ土のついたまま。根ごとあげる。

中毒をおこす可能性のある野草
アサガオ・アジサイ・ウルシ・ゴムノキ・スズラン・ベコニア・サツキ・サトイモ・ヒアシンス・ホオズキ・ワラビなど

干し草
アルファルファ・マメ科
毎日あげていると口腔内の粘膜に傷をつける。頚部リンパ節炎をおこすことも示唆されている。違う意見もある。食べ過ぎて鼓張をおこす。
チモシー・イネ科。
減量、結石予防に使用できる。

餌の1日量
青物 150〜250g・穀類 20〜25g・ペレット6g/100g/day

ビタミンCについて

人・猿同様ビタミンCを合成できない。L−グルノ−γ−ラクトンオキシターゼの遺伝子に変異があるため、この酵素を産制できない。そのためグルコースからアスコルビン酸に変換できない。

ビタミンCが欠乏すると
アスコルビン酸・コラーゲンの形成ができなくなる。コラーゲン欠乏、臨床症状は漏出性出血、被毛粗剛、食欲不振、下痢は2週間であらわれる。臨床症状と血中のアスコルビン酸濃度から診断可能です。

餌の注意
モルモットフードはアスコルビン酸800mg/kgで入っている餌を使用のこと。22度以下で保存して、90日以内に使用しないとアスコルビン酸の濃度は十分に保てない。飲水の注意として銅を含む飲水装置は使用しない。水は脱イオン水か蒸留水をもちいる。塩素はアスコルビン酸を吸着する。
投与量は通常でアスコルビン酸15〜25mg/day、妊娠中は30mg/dayが目安、飲水中に200〜400mg/lであたえる。24時間で50%の活性はのこる。

抗生物質起因性の腸炎

リンコマイシン、クリンダマイシン、エリスロマイシン、β−ラクタム系、テトラサイクリン、ストレプトマイシン セファ系、ペニシリン系などの抗生物質を投与すると下痢をおこしてモルモットは1〜7日以内に死亡する。
抗生物質の使用はニューキノロン系のエンロフロキサシンやクロラムフェニコールを使用する。
抗生物質起因性腸炎治療としてコレスチラミン2gを20mlの水に溶かして投与。18〜21日間。毒素吸着のためおこなう。クロマイ投与50mg/kg
Clostoridium spiroforme増殖抑制の為。

モルモットの特徴

食事や環境に抵抗がない。条件がよければ、病気はしないが、悪条件では病気になりやすい。兎同様食糞をする。母胎から子へのIgG移行は胎盤を介して行われる。食事性脂質によって血清が混濁しやすい。気管支平滑筋が発達しており、ヒスタミンの投与で、アナフラキシーをおこし、収縮し、致死的になる。ステロイドを投与しても、末梢リンパ、胸腺には変化なくサル、人、兎同様ステロイドに抵抗あると考えられる。ボルデテラ菌が日和見感染している。

雄

雌

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