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本院の学術記録

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本院の学術記録

イソフルレン麻酔時のセキセイインコの体温、心拍数、活動量および血液ガス、電解質の変化

東京都獣医師会・発表用スライド

平成12年10月29日( 日)

東大一条ホール

演題番号 :8

演題名 :イソフルレン麻酔時のセキセイインコの体温、心拍数、活動量および血液ガス、電解質の変化について

発表者氏名:鈴木 透1,2),橋本 晴夫2)、森谷 直樹2)、斎藤 徹2)、高橋 和明2)

発表者所属:

1)オダガワ動物病院(川崎市開業)

2)日獣大

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1,はじめに:セキセイインコ麻酔にはイソフルレンはのよく用いられています。しかし麻酔おける生体機能の動向については、殆ど報告がないのが現状である。そこで今回イソフルレン麻酔下において、・テレメトリーシステムによる体温、心拍数および活動量の測定。・静脈中血液ガス、電解質の検討をおこなったので報告する。

2,材料および方法:供試動物は、生後1〜2歳齢の雄のセキセイインコ(体重:35〜50g)であり、温度24〜26℃、湿度40〜60%、照明時間12時間(07:00〜19:00)に設定された動物室で飼育された。イソフルレンは2時間の絶食後、麻酔前投薬(抗コリン薬、鎮静・鎮痛薬)をおこなわず、セキセイインコ用に作製した小型自家製マスクを用いて、外科的手術に可能な濃度が暴露された。暴露時間は実験・が30分、実験・が90分であった。テレメトリー自動計測システムとは、動物体内(本実験では肩甲間部に)に埋め込まれた送信機により、計測された生体信号が、受信ボードを介して、活動量イベント信号とともに、オンラインでデーター総合ブロックに保管されるシステムである。即ち、無拘束下で、経時的(本実験では1分毎)に、体温、心拍数、活動量の測定が可能である。血液ガス、電解質の測定は、セキセイインコ自体が小さく、連続採血が困難なため、2週間隔で1個体に計4回の異なる時間帯の麻酔をかけ、(麻酔前、麻酔後30,60,90分,麻酔終了30分)定刻に頚静脈より0.3ml採血し pH、電解質を測定した。

3,成績:実験・ イソフルレンの暴露により暴露時間内の外科的麻酔期が得られた。体温は、39.5〜33.5℃まで急速に減少したが、暴露終了後、30分以内で正常に回復した。これに対して、心拍数は、正常範囲内であった。    実験・ 静脈中のpHは暴露後30分に減少し始め、暴露終了時(90分)にはpH7.23まで減少した。PvCO2は麻酔の暴露とともに有意に上昇した。HCO3ーは暴露30分から暴露終了時(90分)まで上昇を示した。これらの値は麻酔終了30分後には正常に回復した。またNa+,k+,Clーの電解質、PCV,TPなどの生化学値は麻酔前、中、後を通して殆ど変化を示さなかった。

4,考察:以上の成績より、セキセイインコの麻酔には、導入、覚醒が早く、調節可能なイソフルレンは良好な麻酔薬であると思われた。しかし麻酔中は呼吸抑制が強い状態にあるため、麻酔中の呼吸抑制をどの様にコントロールしてゆくかが今後の課題である。

日本におけるセキセインコの麻酔は、現在イソフルレンが主流を占めています。ご存じのように臨床上の経験から、イソフルレンが最も有効とは言われていますが、麻酔中の生体反応について、殆ど報告されていないのが現状です。どの様な長所や短所があるのか、殆ど分かっていません。そこで今回、実験1で無拘束下で体温、心拍数、活動量を測定できるテレメトリ−自動システムを使用して、セキセイインコの日内リズムを測定し、イソフリレンに対する影響について検討しました。続いて実験2で

供試動物は、生後1-2 歳齢の臨床上健康と認められた体重35-50 gの雄のセキセイインコおよび大型セキセイインコであり、温度24-27 °c、湿度40-60 %、照明時間12時間(07:00-19:00)に設定された動物室で飼育しました。テレメトリ−自動計測システムは、動物体内(本実験では頸部の皮下)に埋め込まれた送信機により、計測された生体信号が、受信ボ−ドを介して、活動量イベント信号と共にオンラインでデ−タ−総合ブロックに保管されるシステムです。即ち、無拘束下で、経時的(本実験では1 分毎)に、体温、心拍数および活動量の測定が可能であります。尚麻酔中の呼吸数は肉眼で測定しました。

麻酔器は、アコマ医科工業製のモデルD−2を使用しました。気化器はイソフルレンが三幸性のイソマテック、ハロセンがアコマ医科工業製MK・、セボフルレンがペンロンを使用しました。(スライド左右お願いします。1−L,1−R)この蛇管は対象動物が小さく、1 回の換気量がすくないので、アコマ医科工業の細い管、フレックスチュ−ブセットを使用しました。マスクは手製で、動物用のシャンプ−容器の先を切って、ゴムをはめ、中に直径2cmの穴を開けた物を使用しました。そして酸素流量を2Lで流し、死くうにガスが停滞することを防ぎました。 麻酔方法は、2 時間絶食後、前処置は行わず、マスク導入でおこなました。その後、自発呼吸下の外科的麻酔深度で半閉鎖式にて、各種吸入麻酔薬を30分間暴露しました。 各々の麻酔薬の深度は、鉗子で脚先を摘まみ、痛覚がなく、外科的麻酔期に入っていることを確かめました。即ち、各々の麻酔薬は、同一の深度にあることを前提に実験を進めました。

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これが送信機です。

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セキセイインコの肩甲間部に埋め込みました。

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セキセイインコに埋め込んだ時のL-L像とV-D像です。

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受信ボードを引いた上に、送信機を埋め込んだセイセイインコを飼育して日内リズムを検討しました。

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これはセキセイインコ用に作成したマスクです。

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麻酔の実験はこのように受信ボードの上で行いました。

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結果はコンピュターの中に入ります。

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このスライドは無麻酔下のセキセイインコの4 日間の日内リズムをしめしました。体温は概ね38.2-40.8 °cで、体温と活動量は、明暗周期に同調し、明記に高く、暗記に低い、昼行性リズムを示しました。しかし心拍数は、420-640 回/分を記録しましたが、明解な日内リズムは観察されませんでした。

イソフルレン麻酔について説明いたします。導入は3-3,5 %、3-5 分、維持は2-3 %で行いました。左のスライドは体温の変化を示しました。青い部分が暴露中を表しています。体温は暴露に伴い、徐々に減少し、暴露終了後、15分で正常に回復しました。

呼吸数は暴露中、50-60 回/分を推移しました。そして暴露終了と同時に著しい上昇を記録しました。

活動量は暴露中は、得られませんでした。

心拍数は、最初一過性に上昇しましたが、その後徐々に減少して、暴露終了後10分で、正常に回復しました。

セキセイインコは個体が小さく、麻酔中の連続採血はデーターに影響を及ぼす可能性があるため、麻酔前、麻酔後30分暴露群,60分暴露群,90分暴露群,麻酔終了後30分群の合計5群にわけて各群5個体にわけて行いました。各実験ごとに1週間のインターバルをあけました。結果は平均値と標準偏差で表わしました。

イソフルレンに90分間暴露したときの、pHの変化を示しました。イソフルレンの暴露と共に、暴露前の から暴露終了の90分まで減少をつずけました。そして暴露終了30分後にはほぼ暴露前の値に戻りました。

イソフルレンに90分間暴露したときの、PvCO2の変化をしめしました。イソフルレンの暴露と共に、暴露前の から暴露終了の90分まで上昇をつずけました。そして暴露終了30分後にはほぼ暴露前の値に戻りました。

イソフルレンに90分間暴露したときの、 HCO3-の変化をしめしました。イソフルレンの暴露と共に、暴露前の から暴露終了の90分まで上昇をつずけました。そして暴露終了30分後にはほぼ暴露前の値に戻りました。

 

そのほかNa+、k+、Cl-、TP、Glu、GOT、UA、PCVは麻酔前、中、後を通じて有意な変化は認められなかった。

 

以上よりまとめ

1.イソフルレンの暴露とともに体温、心拍数、呼吸数は減少を記録したが、暴露終了とともに、速やかに回復をした。

2.セキセイインコはイソフルレン麻酔中は犬猫同様に、呼吸性アシドーシスに陥っていることがわかつた。

3.しかし麻酔中は犬猫に比べ呼吸抑制が激しく、著しいPVCO2の上昇、pHの低下、HCO3-の上昇を伴なった。

4.呼吸抑制が激しくにも関わらずPVCO2の上昇、pHの低下、HCO3-の上昇は暴露終了30分には回復傾向になっていた。

5.イソフルレンはセキセイインコの麻酔には良好な麻酔薬である。しかし麻酔中は呼吸抑制が強い状態にあるため、麻酔中の呼吸抑制をどの様にコントロールしてゆくかが今後の課題である。

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