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犬猫の抗てんかん薬

  • 犬猫用に開発した薬はありませんが、多くの研究成果から、人用の一部の薬剤が犬猫に多く使用されています。
  • 人で有効性がみられるデクレトル、デパケン、フェニトレンは 薬の犬での半減期が短いため犬には2-4時間に1回投与が必要で使用は大変です。
    そのため使用はされてません。
  • プリミドンも副作用がみられるケースもあり使用は控えた方が良いでしょう。(特に猫)
  • 注意
  • 本院で治療している患者さんの傾向を診ると、70%位の方が一度てんかんが止まると 薬のみとりにくる傾向がありますが、費用はかかりますが、 可能ならこれらの薬剤は血中濃度測定や・血液生化学検査をお薦めします。
  • 重要なことは、投与量よりも血中濃度が副作用に発生、薬用量の減少など沢山の情報をもたらしてくれます。
  • てんかんが2年とまっている場合は獣医師の指導のもと減量や中止できることも 可能な場合もあります。オーナーの判断ではやめないで下さい。
  • また抗てんかん薬である以上、非常にまれなケースとして抗てんかん薬誘発性てんかん(除く臭化カリ) という病態を示す場合もありますので、よく主治医を相談して使用することを薦めます。

犬猫に効果が認められる抗てんかん薬

フェノバルビタール:錠剤


錠剤,3-6mg/kg 1日2回
治療域の血中濃度15-45μg/ml です。


錠剤,3-6mg/kg 1日2回
血中濃度は、20〜30μg/ml

  • 1912年から人で使用されている抗痙攣剤です。
    1960年代から犬にも使用され、 現在でも犬においててんかん時最初に使用する薬剤としては最適です。
  • 長期の間、てんかんを抑えてくれることが可能です。
    本院でも最高で12年飲んでいる犬もいます。
  • 副作用は初期副作用と長期副作用に分かれます。
  • 初期副作用は投与してから2-3週間前後に起きます。
    ふらふらしたり、性格の変化、多食になります。
    一過性に終わることが多くそれほど心配する必要はありません。
    本院の診療経験では、全くおきない個体のほうが多いように感じます。
  • 長期副作用は顆粒球の減少や肝臓障害もあります。
    尿失禁をおこした犬も報告されています。
    初期副作用で説明したようにふらふらしたり、多食になる傾向がありますので、 それが長期になりますので食欲亢進と運動性低下による肥満が認められます。
  • フェノバルビタール単独で約70%のてんかんに有効です。
  • また長期使用していると、1日2回から3回と飲ます回数が多くなることがあり、薬の効き方も悪くなる場合もあります。
    そのため臭化カリやガバペンチンとの併用療法やゾミサニドへの変更する場合もあります。
  • 猫での使用
  • 副作用は犬の初期副作用と長期副作用と同様です。
    副作用、肝障害は犬より起こりにくいと言われています。
    自然発症するてんかんではタウリンの併用も効果的と言われてます。
  • 犬猫とも長期副作用の発生は血中の濃度に比例することが報告されていますので、 このフェノバルビタールを飲んでいる犬猫は年に数回の血中濃度と血液・生化学検査をお薦めします。

臭化カリ:1日2回

  • 注意 治療濃度まで2-3週間必要
  • トラフレベル PBと併用あり 15-20mmol/l
  • 臭化カリウム単独 22-30mmol/l 4ヶ月後測定
  • 1850年ごろより人で使用されている薬です。上記したフェノバルビタールが1912年に出てからは、使用頻度は減っています。
  • 現在日本で人での使用は殆どありません。人における使用例ではアメリカは使用の際には届け出をだします。
  • 犬での使用
  • 人では使用されなくなった薬剤ですが、犬では種類の違いから効果が認めれています。
  • 犬では上記したフェノバルビタールと臭化カリの併用療法で約90%のてんかん発作に効果があります。
  • 欠点は臭化カリは試薬として出ているものを調剤して利用しなければならないという点です。
    試薬とは医療の承認のとれていない薬剤のことをさします。
  • 人の医療でもてんかんに限らず、適切な治療薬がない場合、患者の承認の上、試薬は使用する場合はあります。
  • 犬における臭化カリ(試薬)の使用はこれまで数多くの動物病院で使用済みです。そして良い効能も報告されています。
  • 下記のことを守っていれば、副作用は多くないとされています。
  • 1日量を2回にわけること。また水溶性につくった薬剤が副作用が最も少ないと言われています。
  • 本院で経験はありませんが、臭化カリ粉を投与すると、本当にまれですが、胃捻転、膵炎をおこす場合もあるそうです。
    (水溶性にしても絶対おきないわけでないが)
  • 粉末は室温保存。水溶液として調剤した場合は冷蔵保存が最適です。
  • 使用期限は水溶液で本院の処方は最高で1ヶ月までおこなっています。
  • 投与の際はよく振ってからあげてください。
  • フェノバルビタールのような肝臓毒性はありませんが、消化器症状(吐いたり下痢したり、重度の場合には膵炎)、 無気力、多飲多尿、運動失調、昏迷などがありますが、いずれも血中濃度が上昇した場合に顕著になる症状なので 飲んでいる薬の量が多くなった場合には注意する必要があります。
  • 塩分の多い食事(ヒルズS/Dなど)をあげると、臭化カリの吸収が弱くなりますので注意して下さい。
  • フェノバルビタール同様、年に数回の血中濃度と血液・生化学検査をお薦めします。
  • 猫での使用
  • (猫は臭化カリは使用不可と考えた方が良い)
    また臭化カリは犬では良好な成績を示す場合が多くありますが、猫では肺炎をおこすことが多く、 使用はしない方がよいとされています。

ゾミサミド


血中濃度は、おおよそ20〜50μg/mlです。これより低くても良好な管理をしている犬もいます。


最近発表されましたが、まだ公開するほどデータは集まっていません。

  • 犬での使用
  • 1989年日本で販売された抗てんかん薬です。その後動物への使用はありませんでしたが、 2004年頃より犬において良い効能が報告されていた薬です。
  • 使用方法は従来のてんかん薬では効果のない難治性てんかんに使用したり、 また初期てんかんに始めから投与していく方法もあります。
  • 人ではいくつか副作用が報告されていますが、犬において、この薬剤の利点は副作用がほとんど認められないことです。
    あえてあげれば食欲不振になる犬がまれにいるぐらいです。
    まだ使用した歴史が他の薬剤にくらべ少ないため副作用か発現していないのかもしれませんが。
    フェノバルビタールから替える場合は効果発現まで2ヶ月ぐらい時間がかかります.血中濃度測定も可能です。
  • 猫での使用
  • 猫での使用も可能なことが知られており症例によっては良い成績も報告されています。 犬より半減期がながいとこが特徴です。 猫は犬より食欲不振をおこすことが多いことが報告されています。この点が最大の課題でしょう。

ジアゼパム

ジアゼパム
0.4-0.6mg/kg
0.5-1,0mg/kg sid po

 

犬での使用
速効性のある短時間作用型の抗てんかん薬です。今使用しているてんかん薬でとまらないとき、静脈注射するか、また家庭では座薬として使用してもらいます。犬で長期的な連続使用をする耐性ができやすい。抗痙攣作用は1-2w以内に減少するので注意が必要。 半減期 iv時 .4.6時間 耐性メカニズム α5サブユニットの慢性的活性化が鎮静耐性化に関与している。犬では2週間が限度という意見もあります。

猫での使用
猫は犬と違い、長期の投与が可能で良い管理ができる場合も経験しています。時々急性肝壊死という病気になることがあります。使用した時は使用後5日ぐらいで血液・生化学検査が必要です。

メラトノン


3mg/h 1日1回

犬での使用
直接の効果はありませんが睡眠維持作用のある薬剤です。メラト単独で使用しても効果はありません。フェノバルビタールやゾミサミドとの併用で良好な犬もいます。

ビタミン剤

 

犬での使用
この薬剤も直接の効果はありませんが、上記したフェノバルビタール、ゾミサミド、メラトニンとの併用で単独使用より良いのではという意見もあります。ビタミン剤だけに副作用の心配はとても低いです。

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