オダガワ動物病院
TEL:044-900-8588
http://www.odagawa.net
頻度(+++良く診られる ++時々 +まれ)
1・甲状腺機能亢進症 (++)
2・上皮小体機能亢進症・減退症 (+)
甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンの過剰により多臓器に傷害をだす疾患です。
猫に多い疾患です。この疾患は人で言うバセドー氏病です。人のバセドー氏病は若齢でおきますが猫は高齢になってでる傾向があります。
大多数の猫の甲状腺機能亢進状態は、ゆっくり進行します。また、食欲が良好に維持され、年齢の割には活発(あるいは過度に活動的)なため、ほとんどの飼い主は病気に気が付かないことが多くみられます。
そのため病院に連れて行かなかったので症例が少ないと考えられています。
また最近の獣医師は甲状腺ホルモンを測る方が多くなりましたが、以前は殆ど測られていなかった事情もあります。10歳以上の猫では3割位の猫がこの疾患にかかっているのでは?と報告している獣医師もいます。
愛猫が元気でも、以下にあてはまる症状があったらぜひ動物病院にご相談下さい。
うちのネコ、年寄りなのに急に元気になった。よく食べる。
たしか避妊・去勢をしていたはずなのに、年を取ってから発情しはじめたように興奮する。
10歳以上の年老いたネコが、なぜか眼がぎらつき、呆れるほどに動きが活発になってきた。
なぜか食欲が増してきて、ガツガツ食べる。しかし体重はかえって減ってきた。
このごろ妙に飼い主の体にまとわりつく。毛がところどころ抜けてまだらになった。でも皮膚の状態は悪くない…
よく食べるにもかかわらず猫が痩せてきたり、最近少し性格が変わったかな?と思ったら、甲状腺機能亢進症を疑うべきである。
高齢猫で健康診断をするなら、ぜひ甲状腺ホルモンを測定してもらって下さい。
このような状態が甲状腺亢進症で起きていたならば、放置すると猫は短命に終わります。甲状腺機能亢進症は多臓器に傷害をだします。突然死もあります。また心臓に障害が及んだ場合は不可逆的です。診断は比較的簡単です。必ず動物病院を訪れましょう。
1980年頃からニューヨークを中心に増加した疾患です。原因は不明とされています。アメリカでは1970年ごろからキャットフードを食べさせる週間ができました。これらのキャットフード飼育猫が10歳になっておきた病気なので、餌が考えられました。
しかし餌が改善された現在でもおきています。またニューヨーク、シカゴなど都会での発生が多いせいか大気汚染、毒物説、甲状腺誘発物質説など様々な説があります。アメリカの風土病という風評もありましたが、日本でも平成4年、大阪で初めて発見され、学会に報告されました。
以後、各地で多数の症例が認められるようになりました。
甲状腺機能亢進症は7ヶ月〜22歳(平均13歳)の猫に起こり、患猫の95%は10歳以上で、品種・性別による好発性はないとされています。
しかし他の研究者は高齢の猫に確かに多いが、若い猫での発生もときどきあると報告している方もいます。
最も一般的な症状
ヒストリーから(アメリカ83年のデーター)
●体重減少88%(カロリー消費激しい)
●食欲の増加(多食)49%
●嘔吐44%(急な多食のため嘔吐する)
●多飲多尿36%
●活動亢進31%
●食欲減退16%
●下痢15%(腸運動の亢進)
●活動減退12%
●虚脱12%
●呼吸困難10%
ヒストリーから(アメリカ93年のデーター)
●甲状腺腫大83%
●体重減少65%
●心雑音53%
●頻脈42%
●ギャロップ15%
●運動性亢進15%
●過剰攻撃10%
検査体制が進むにつれて、初期的な症状が表れてくるようになった。甲状腺腫大は日本の猫では少ない。
着目する点
・猫がおちつきない。身体検査
甲状腺の腫大-50%
神経過敏や行動の変化、凶暴(過剰行動)-34-76%
心臓
心臓が大きくなる肥大型心筋症とよく似ている。心肥大は治療不可能。左室の2次性の肥大。左心系の拡大・中隔肥大(3-3.9mmグレーゾーン・4mm厚い)がおきる。
腎臓
腎血流量の増加、糸球体濾過量の増加、尿細管吸収増加。多尿は甲状腺ホルモンの影響。腎臓悪い場合、甲状腺機能亢進症を治すと腎不全がでることがある。
この場合、低用量からチアマゾールを始める必要がある。
呼吸器
呼吸器障害。パンテング。過呼吸(ストレス、)
若齢での発生は頻脈や頻回の鼻血と言った症状に甲状腺機能亢進症が報告されている。
猫の甲状腺は分かれた2葉からなり、正常なら 5番目〜6番目までの気管輪に接している。 正常な猫の甲状腺葉は長さ約2cm、厚さ約0.5cm、幅が0.3cmであり、2葉の重さは0.1〜0.3gである。
甲状腺は内分泌器官のひとつで食物(主に海産物)に含まれているヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを合成している。甲状腺ホルモンは生体内唯一のヨウ素有機化合物で、摂取されたヨウ素は甲状腺ホルモンの合成のためのみに利用される。猫におけるヨウ素の1日あたりの必要量は100ugである。
ほとんどの市販キャットフードには、推奨量を給与した場合に少なくとも最小必要量の3〜5倍が含まれている。このためヨウ素欠乏症は、猫には極めて少ない疾患である。
食物として摂取されたタンパク質、脂肪、炭水化物は代謝されて体の組織を作るのに利用されたり、エネルギーになったりするが、甲状腺ホルモンにはこうした新陳代謝の過程を刺激したり、促進したりする作用がある。熱産生や組織代謝に密接に関連して、動物の生命活動に無くてはならないホルモンである。
T4:サイロキシン(テトラヨードチロニン血漿中輸送型
T3:トリヨードチロニン=細胞内で出来る活性型
rT3:トリヨードチロニン=不活性 甲状腺では主にT4を作り、T4が肝臓などでT3になりホルモンの働きを発揮する。
甲状腺腺腫や腺腫様過形成が最も多い(約98%)。腺癌は罹患猫の2%に認められ、転移する事がある。甲状腺の異常は、片側または両側性に発症するが、約70%は両側性である。
スクリーニング検査
CBC赤血球増加、MCVの高値が見られる。
生化学ALT・ALPの増加・ALT 感度100% 特異性39%・ALP 感度83.3% 特異性82.9%
確認検査甲状腺ホルモンT4測定 甲状腺ホルモンT4(正常範囲0.2〜3.0u
甲状腺ホルモンT4(正常範囲0.2〜3.0ug/dl)
>4 ug/dl かなりうたがわれる
3-4 ug/dl 可能性あり 注意1)
2.5-3 ug/dl 不明
<2 ug/dl ありそうもない
甲状腺ホルモンは日内変動あり。猫は夜行性なので夜高い。また若ければ増えるし、年をとれば減る。運動すればあがるし、静かならさがる。寒ければ上がる。病気で寝ていれば代謝率さがる。よく様子をみながら、どこに線を引くかが問題。甲状腺の症状があるかないかを検討する。
注意1)まぎらわしい時は数回測定。またはTRH負荷試験 TRH 0.1mg/kg iv PREと4時間後を測定。正常では2倍の増加。亢進症では不変。しかし嘔吐など副作用も多い。
一般的なのは、ホルモンの量を抑える薬剤を与える方法が選択されています。適正なやり方をすれば、薬剤を与えるだけでホルモンの量が正常値を保ち、症状の悪化をくい止めることができます。
もっとも、毎日、ネコに薬を飲ませることが大切で、薬の服用を止めれば、またホルモンの量が増加し、症状が悪化します。飼い主の日々の努力が求められます。よくなると自己判断で薬をやめてしまうオーナーが多く、治療する獣医師の悩みの種である。
しかし個体差によるが2年間位が薬で維持する限界といわれている。別の研究者はもう少し可能であることを主張する方もいます。
最良の方法は外科的に甲状腺切除術と言われている。しかし他にも腎臓をはじめ、悪いところがあると、手術に踏み切れない症例もある。
また再発例として甲状腺を切除した場合でも、体のどこかに新たに<甲状腺>を作ってしまう異所甲状腺症が何%か発生する。
1.甲状腺亢進症内科療法
イギリスではカルバゾール・アメリカではメチマゾール・日本ではチアマゾールと言った治療薬がある。日本の獣医師が手に入るチアマゾールはメチマゾールとは化学記号が一つ違うだけで投与量は同じで良い。アメリカのデーターが使用できる。
チアマゾール 猫・10-15mg/h/day、po
ホルモン合成阻害 。2〜3週で下降。 3ヶ月モニター。2週間でCBC。T4の値を診て2.5mgずつ増減する。最大30mg/h/day、poで殆ど反応投与には副作用を伴うこともあるが、表1)この薬剤は十分に許容され、治療の継続とともになくなることが多い。
しかし個体差によるが2年間位が限界で、その後続けると再び副作用がでやすくなる。
T4を正常値下限に保つ最小用量を探す。通常T3は正常値のままで良い。2.5〜5mgずつ下げて、2週間毎に評価する。多くの個体は7.5〜10mg/dayで維持可能です。
メチマゾールのデーターでは半減期は2.5〜5時間なので、必ず1日2回の投与が必要です。また96%の猫に効果が認められいます。
表1)副作用は軽度のものは2〜3週間で発現。食欲不振。嘔吐。元気消失。消化器症状。肝毒性。血小板減少。白血球減少。抗核抗体陽性
チアマゾール・他の研究者の報告猫・1.25-2.5mg/h、bid,po 1tab=5mg
1)1.25mg/h、bid,po
2)1.25ー2.5mg/h、bid,po
3)2.5mg/h、bid,po
4)3.75mg/h、bid,po 3〜7日で副作用をみながら段階的にあげてゆく。1日量は1-1.5錠で維持可能。最初から多いと黄疸、肝障害がおこる事がある。
腎機能が悪いときは低用量からチアマゾールを始める必要がある。
2.外科手術
チアマゾールで2〜4週間。値が正常になったら手術。当日の朝までチアマゾールは投与。甲状腺の残存がないように。4個の上皮小体のうち2個は甲状腺内にある。上皮小体を誤ってとった場合はきりきざんでうめると育ちます。神経への損傷を小さくする。気管の下の枕を置くと手術しやすい。気管の下に落ちたように存在する。必ず両側行う。
【術後・術後管理】
術後1日より毎日Ca測定。術後24〜48時間より甲状腺ホルモン測定。減少があればチロキシン0.2mg/kg投与する。チロキシンを投与しないと5日位で甲状腺ホルモンが枯渇する個体が多い。両側切除でもT3、T4が正常値を維持することもある。(異所甲状腺症との関係) 年1〜2回のホルモン測定(再発にそなえて)。
【重要】
甲状腺を切除した場合の再発例として、体のどこかに新たに<甲状腺>を作ってしまう異所甲状腺症が何%か発生することがあります。異所甲状腺症はの診断は症状と甲状腺ホルモンT4の測定ですが、体の何処に<甲状腺>が新たにできたかは、サイロイドスキャンという特別な施設で検査する必要があります。
残念ですが日本ではサイロイドスキャンの施設はありますが、動物はサイロイドスキャンをした場合は移動が禁忌になっていますので実際はできない検査です。この場合の処置は再びチアマゾールの投与しかありません。
参考資料
1・小動物レクチャーシリーズ 甲状腺 石田 卓夫 湘南臨床研究会03
2・内分泌疾患 左向 川崎市獣医師会01
3・小動物内科学全書
4・LLL-seminer no14
大きさは4〜5mmぐらいで甲状腺の周囲にあり、副甲状腺ホルモンをつくる臓器です。
2対4つ持っている。ここでつくられる副甲状腺ホルモンは血液中のカルシウム濃度を一定の範囲内に調節しています。健康な動物では、血液中のカルシウムが減ると、副甲状腺ホルモン(PTH)が増加します。そうすると、骨に蓄えられているカルシウムが血液中に溶かし出されてカルシウムが正常な濃度にもどります。
副甲状腺機能亢進症とは、血液中のカルシウム(正確にはイオン化カルシウム)が正常またはそれ以上あるのに、副甲状腺ホルモンが必要以上につくられる病気です。
【分類】
一次性副甲状腺機能亢進症
なんだかの理由によりカルシウムがあがる一次性副甲状腺機能亢進症である。
二次性副甲状腺機能亢進症
(栄養性、腎性) 幼若な猫で発症しやすく、ミネラルやビタミンのアンバランスな食餌により引き起こされる骨疾患です。かたよった栄養(肉のみとか)、腎疾患・骨の新生物、叉は感染症・リンパ肉腫など飢餓・泌乳過剰・吸収不良・膵疾患・腎疾患に伴う二次性副甲状腺機能亢進症。あと腫瘍があることによりおこる副甲状腺機能亢進症があります。
腫瘍性副甲状腺機能亢進症
腫瘍性の場合は肛門嚢アポクリン腺癌(25%)胸腺腫(25-50%)多発性骨髄腫(20%)悪性リンパ腫 縦隔型(15%)多中心(5%)高Ca血症 PTH関連蛋白産生腫瘍、広範囲な骨転移腫瘍 破骨細胞産生腫瘍の場合に多く発生する。
骨の中のカルシウムが減少して骨そしょう症(骨がやせてもろくなり骨折しやすくなる病気)になったり、腎結石(腎臓や尿管に結石が生じる病気)、消化性かいよう(胃・十二指腸などにできる)、膵炎などを引き起こすことがあります。
多飲多尿・元気消失・失禁・血尿・運動不耐・全身衰弱・食欲低下などどんな疾患にもみられる症状が認められる。
この高Ca血症をそのままにてとおくと、骨粗鬆症や骨折の原因になります。椅子から降りたぐらいで骨が折れてしまいます。また腎臓への影響として尿濃縮不能になり遠位尿細管/集合管のpH感受性低下がおき腎血流/GFR低下します。上皮の変性/壊死/石灰化多飲、多尿、嘔吐、脱水がおきます。
診断はCaとパラソルモン(PTH)とPTH様活性ペプチド(PTHrP)から診る。パラソルモン(PTH)は副甲状腺特有のホルモンである。PTH様活性ペプチド(PTHrP)は腫瘍細胞から放出されるPTH活性をもったペプチド。どちらもintactで測定。intactとはN末端、C末端に抗体が結合。完全分子だけが検出されること。
PTH−intact正常値(人) 三菱化学 14-66pg/ml 保険化学 10-55pg/ml
PTHrP 正常値(人)三菱化学 1.1mol/ml以下
血清カルシウム値 犬 9.0〜11.3mg/dl ・猫6.2〜10.2mg/dl ・人8.4〜10.1 mg/dl
総カルシウムの44〜50%。生物学的活性をもつ。PTH分泌をコントロールしている。残りは殆ど蛋白結合のカルシウムなので生物学的には不活性。Albの濃度の変動に伴って上下する。
犬ではAlb濃度による補正 補正Ca=Ca(mg/dl)-Alb(g/dl)+3.5 12以上
アシドーシスではイオン化カルシウムが若干増加。アルカローシスでは減少する。
簡単にいえばがカルシウム正常ならカルシウムの分泌を多くするPTHも正常で良いわけです。カルシウムが高いときは正常ならPTHは低いのがあたりまえです。血液中のカルシウムが減ると、PTHが増加します。そうすると、骨に蓄えられているカルシウムが血液中に溶かし出されてカルシウムが正常な濃度にもどります。
カルシウム値が正常にもかかわらずがPTHが増加する場合は副甲状腺機能亢進症という診断になります。また腫瘍がある場合腫瘍がPTHに似たPTHrPというホルモンを分泌して高いカルシウム値になることがあります。
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【通常のマス】
●9:00〜12:30
●16:00〜20:00
【
のマス】
●9:00〜12:30
●16:00〜18:00
【
のマス】
●9:00〜12:30
●16:00〜19:00
【
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