小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.04.28更新

お
        rabbitウサギのエンセファリトゾーン
                                                (Encephalitozone Cunicrli)
 

ウサギのエンセファリトゾーン斜頚を主訴によく診られる疾患です。この疾患は特に全容が解明されている訳ではなく、獣医師により、診断基準は様々です。この項目は本院の治療経験 ・文献をもとに私感を述べます。

 
Encephalitozoneミクロスポーシアに属します。細胞内寄生原虫でミトコンドリアと中心体を欠き、細菌とカビの中間に入る生命体で、Encephalitozone Cunicrli(感染部位・脳腎、感染動物・広範囲動物)、Encephalitozone hellem(感染部位・角膜、感染動物・鳥)、Encephalitozone intestinalos(感染動物・犬)、Encephalitozone bienus(感染動物・豚)など約100種ぐらいあります。
 
今回のテーマのEncephalitozone Cunicrliは伝染病表示でレべル2に入り、別名「微胞子虫」とも呼ばれ、以前は「寄生虫」に分類されましたが現在はゲノムの解析も進み「真菌」に分類されます。広範囲動物に感染能力はありますが、小動物臨床では、うさぎを中心に1990年ごろより感染が診られる疾患です。実験動物のうさぎより感染したとされていますが、正式な感染経路は不明です。Encephalitozone Cunicrliは
 
人での感染報告はありませんが、HIVの人は感染する可能性もあるとされています。

 うさぎのエンセファリトゾーン(Encephalitozone Cunicrli)疑いのうさぎは、
斜頚症状の場合、本院の経験で約70%は治りますが、奥の深い疾患です。
 
 
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うさぎのEncephalitozone Cunicrliライフサイクル
感染したうさぎが胞子を尿中に排泄します。別のうさぎが感染うさぎの尿に感染したフードや水の摂取する「経口感染(経気道感染もあり)」します。体内では、白血球の単球に感染して血液を流れ標的臓器の脳。腎臓 水晶体に運ばれ、マクロファージに変化する。末梢でマクロファージが崩壊して胞子をだします。感染後①臨床症状を出す。②不顕性感染、③ストレスを受けたら発症にわかれます。統計上は②が多いとされています。臨床症状を出すうさぎはエンセファリトゾーン感染より、その部位における肉芽腫性の炎症反応で悪くなるとされています。

 臨床症状は炎症を生じた部分に依存します。斜頚(小脳症状はなので疑問な意見もある。)・白内障・後肢の不全麻痺・完全麻痺、尿失禁・腎不全・てんかんをおこすとされています。
また毛玉症などすべての疾患に関係していると主張する方もいます。
 E.cuniculiの病原体の同定は不可能です、剖検でも不明です。病理では過去の非特異的炎症からE.cuniculiを推察しているとされています。

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●うさぎのエンセファリトゾーン(Encephalitozone Cunicrli)の疑われる症状

斜頚

白内障

後肢の完全麻痺

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うさぎのエンセファリトゾーン(Encephalitozone Cunicrli)の診断
うさぎの斜頚の原因には①末梢性と②中枢性があります。

①末梢性 内耳・中耳疾患
 エンセファリトゾーンは中耳に感染はしません。斜頚は末梢性の場合は内耳・中耳を経由している第8脳神経の異常でおきると考察されています。


②中枢性
 中枢神経が原因で、斜頚を起こす場合は、病変部は小脳にあります。小脳異常なら、振戦・不全麻痺・PCの欠損がみられるはずです。うさぎの斜頚にはこのような小脳中枢性の症状はありません。
 
エンセファリトゾーンはおもに大脳に感染することされています。もしうさぎの大脳にエンセファリトゾーンが感染したなら活動低下、精神の異常、振戦、 不全麻痺があります。また神経学的に大脳疾患では斜頚はみられないことです。エンセファリトゾーン大脳には時間的に少ししかいないので病原体の検出は不可能です。
 しかし
エンセファリトゾーンを疑う疾患をみていると、横転などがみられ中枢性の疾患を疑う場合も多くあります。剖検では延髄よりエンセファリトゾーンを推測する病変が検出されています。

●ではどうする
 うさぎのエンセファリトゾーンは斜頚だけでなく、その他、振戦など中枢神経系症状、腎疾患のある場合により厳密に神経検査をおこないます。

臨床症状         中枢性       末梢性

 バランスの欠如  ある        ある
 斜頚  ある        ある
 横転  ある        なし
垂直眼振   ある        なし
 精神状態  たぶん抑制    たぶん抑制なし
 企図振戦  可能性ある    なし




 




 末梢性・中枢性は身体検査で判断が可能な場合もあり、「末梢性は予後よい。」「中枢性は予後悪い」とされています。
 そのほか本院では頭部レントゲン検査で鼓室胞の状態の把握。
エンセファリトゾーンIgG抗体を測定してエンセファリトゾーン症の診断をおこなっています。
 

 正確にはCT・MRI検査により、中耳・内耳を除外しなければなりませんが、料金などの面もあり、現実性が低い検査になっています。エンセファリトゾーンの診断は本当に難しのが現状で、判断がつきにくい症例は、メロキシカムのような非ステロイドを投与して様子をみる方法も提案されています。

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 抗体価の測定 IgG抗体の解釈
 IgG抗体は過去に病気にかかった証明で今を反映する検査ではありません。
●抗体価 IgG抗体陽性
 IgG抗体は感染3-4週に上昇して9週でピークになります。
IgG抗体は現在の病気の存在より、過去の暴露を示唆します。しかし「E.cuniculiの臨床症状あり、抗体価陽性なら」 E.cuniculiと仮診断しても良いという意見も多くあります。
●抗体価 IgG陰性なら否定も
 しかし
IgG抗体は感染3-4週で上昇するので、4週間後には再測定をすすめています。(ペア血清)

●抗体価IgG抗体の解釈はさまざまです
陰性が陽性で症状に変化。→エンセファリトゾーン不顕性感染型
陽性が高くなり臨床症状ある→エンセファリトゾーン臨床症状型
抗体価かわらない→エンセファリトゾーンと別の疾患を疑う。
抗体価陰性。>40以下パスツレラを疑う

など獣医師により様々。抗体価の倍率は関係ない話も

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E.cuniculi、IgG抗体の全国調査
  北海道、沖縄まで全337羽のうち約62%位が陽性でした。単独飼育の175羽のうち42%位が、複数飼育では162羽中62%位が陽性でした。

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IgG抗体単独飼育の飼育状況と病気
 
無症状74羽中22%位、神経症状あり75羽中78%、その他疾患26例中40%が陽性でした。
無症状121羽中70%。神経症状は30羽中88%、その他疾患11例中30%が陽性でした。

IgG抗体複数飼育の飼育状況と病気

  新規購入兎(7例陰性、2例陽性)従来うさぎ(17例陽性、2例擬陽性、2例陰性)新規の場合は陰性高い。複数飼育の場合、無症状でも不顕性感染がおおく、発症時の胞子排泄により、感染の拡大がある。隔離してかうことが重要であるかもしれない。

IgG抗体30羽飼育している方の結果

IgG抗体新規購入兎(7例陰性、2例陽性)従来うさぎ(17例陽性、2例擬陽性、2例陰性)新規の場合は陰性高いです。しかしその後新規購入兎の陰性も多く陽性に転回しました。複数飼育の場合無症状でも不顕性感染がおおく、発症時の胞子排泄により、感染の拡大があり、隔離して飼うことが重要と推察されます。尚、胞子は水環境に弱く、塩素で不活化します。

E.cuniculi
IgG抗体は東京のモノリスにて測定可能です。

 


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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.27更新

あrabbitウサギの消化管寄生虫


 本院の診療でみられたウサギの消化管寄生虫を説明いたします。


■ウサギの腸のコクシジウム(Coccidia

あ

 コクシジウムはアイメリアとイソスポラに分かれます。うさぎはコクシジウム感染が多い動物ですが最近は減少傾向になっているように感じます。コクシジウム類は動物の消化管などの細胞内に寄生する原虫類です。
 うさぎはアイメリア(Eimeria,sp)の感染になります。うさぎのアイメリアは12種以上の属が同定されています。アイメリアは肝臓と腸に感染します。肝臓の感染は動物病院では確定診断はできません。(肝コクシジウムEimeria,Stiedai

 腸に感染するコクシジウムは種によって異なります。(腸コクシジウム Eimeria,Perforans・Eimeria,Magna・Eimeria,Media・Eimeria,Irresidueなど)
 しかし顕微鏡所見では「種」までの同定はできないので、コクシジウム虫卵を発見したら駆除します。子うさぎではコクシジウムで下痢が始まってからでは、薬剤投与しても体力がもたず、死亡するケースが多いです。

 診断は検顕微鏡検査(直接検便・ショ糖浮遊法など)でオーシスト (oocyst)の発見でできます。 コクシジウム卵の検便での検出率は方法、日時で虫卵の排泄が変わる場合もあり70%前後とされています。この症例は購入先のペットショップの専属獣医師は陰性とのとこでしたが、本院ではコクシジウム卵が検出された例です。そのため検便は可能なら2-3回行うことをお勧めします。以上、複数回の検便などの併用で、コクシジウムの診断はある程度可能ですが100%の診断は存在しないので、下痢が続く場合は必要に応じてトライアル治療もおこなっています。
 
  治療にはサルファ剤を使用します。尿がアルカリ性のうさぎではサルファ剤は殆ど副作用のない薬剤です。サルファ剤は直接コクシジウムに作用する特異的駆虫剤ではありませんが 、、真核動物であるコクシジウムの染色体への浸透がよい薬剤です。コクシジウムの無性生殖生活環の最後、無性生殖の二期のtrophozoiteからschizontへの発育段階を遮断し、抗体産生を待ちます。駆虫にはサルファ剤が必要ですが1週間位たたないと効果は表れません。また希にサルファ剤に抵抗性が疑われるうさぎの診療をしたこともあります。種の相違のよる治療法の変更はありません。

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■うさぎの蟯虫 (Passalurus ambiguus
 rabbitright arrow蟯虫(Passalurus ambiguusは肉眼で確認できる5ミリ位の寄生虫です。便の中に「シラス」のようにみえます。検便をすると虫卵が検出される場合もあります。犬猫の回虫の方法で駆虫は可能ですが、生活史が複雑なので駆虫しても、時間がたってまたでてくることはあります。 この寄生虫は一見、気持ち悪いですが、うさぎと共存しているとされており、うさぎには被害がないことが殆どです。

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■ジアルジア (Girdia duodenalis) 
 まれにうさぎの健康状態が悪いと、ジアルジア(Girdia duodenalis)が診られます。
 ジアルジアは約7~13×5~10μmで上記したコクシジウムの数千分の一の大きさで、顕微鏡検査で偶発的に発見されます。

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■酵母様真菌(Cyniclomyces guttulatulus

あ

消化管寄生虫ではありませんが、ウサギの便の特徴は、酵母様真菌Cyniclomyces guttulatulus)正常で検出される点です。ウサギでは消化管の常在菌です。

 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.03更新

あrabbitウサギの蟯虫について(Passalurus ambiguus)


あ
camera、生後5ケ月のrabbitウサギの糞に白い虫が見つかったので
地元川崎市多摩区から来院しました。
ウサギでは蟯虫の虫体と便が一緒に排泄されて動物病院を訪れることが多いです。


 

あ

あ
cameraこの2枚の写真は他の症例(宮前区から来院)ですが、
このように濃厚感染している場合もあります。

あ
camera肉眼所見、便から虫体を分離すると先が細い形態になります

う
camera虫体の顕微鏡写真(虫体が長いので顕微鏡40倍2枚を合成)

 この特徴的な成虫の形態からこの症例はウサギ蟯虫と診断しました。

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あ
camera小学校のときおこなったセロハンテープをお尻に付けた蟯虫検査

 蟯虫はウサギのみでなく、ヒトでも診られます。お尻に小学校のときセロハンテープをお尻付けた検査(上記)を記憶している方も多い想います。あれが蟯虫検査です。
(備考・蟯虫検査は子供の検出率が1%以下のため2015年度限りで廃止)

ほかに本院に来院する動物ではmouseright arrowハムスターにも蟯虫は診られます。

 rabbitウサギ蟯虫(Passalurus ambiguus)、mouseハムスター蟯虫(Syphacia mesocriceti )、ヒト蟯虫は(Enterobius vermicularis) は肉眼では似てますが、学名の英語スペルが異なるように、属が異なりお互い感染し合うことはありません。

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 ■rabbitウサギの蟯虫の特長
  本院では来院年齢は比較的若い1-2才が多いです。見た目『気持ち悪い』と感想を述べられるオーナーが多いですが、ウサギと蟯虫は、片利寄生性という共存関係にあり、食欲不振、下痢など臨床症状をだすことはまずありません。
 夕方から夜に肛門付近に出現するため、夜間に虫体が発見されるケースが多いですが、上記した理由で急いで動物病院に行く必要はない疾患です。本院では朝一番で来院するケースが多いです。

rabbitウサギの蟯虫の診断
  診断は上記したように成虫の虫体に特徴があるので、持参された虫の視診が主です。夕方から夜に肛門付近に出現する習性を利用してその時間帯にセロハンテープをウサギの肛門付近にあてると発見されやすい場合もあります。また検便で虫卵が診られる場合もときどきあります。

あrabbit別の症例で検便で虫卵が診られたケースもありました。

rabbitウサギの蟯虫の駆虫について
  片利寄生性という共存関係にあり、駆虫はしなくてもいいのではという意見もあります。
薬剤は蟯虫は線形動物門に属するのでright arrow回虫駆虫と同じになります。
right arrow経口投与剤が主に使用されてますが、嫌がるウサギも多く、本院では写真のような皮膚にたらすright arrowスポットタイプを使用しています。
 プレパテント・ピリオドが55-60日なので、2ヶ月後に再駆虫で来院してもらっています。しかし生活史が複雑なため駆虫薬を投与しても、希に蟯虫が再発する場合もあり、
その度駆虫薬が必要になることがあります。この点が注意点です。

 本院はこのウサギの蟯虫をこれまで何百例か診てますが、約9割のオーナーは駆虫を希望します。追跡調査が可能の範囲で、駆虫薬を投与して、再発のあったのは2例です。

あcamera皮膚にたらすスポットタイプの回虫駆虫剤

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direウサギの雌雄鑑別は
rabbit
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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.03更新

あrabbitウサギのコクシジウム症について


  ウサギのコクシジウム症は最近ペットショツプが衛生的になり殆どみなくなりました。

 症例はウサギ 雌 6ヶ月 雑種で健康診断で川崎市多摩区からの本院を訪れました。『ウサギの専門店』での検便で『異常なし』とのことで購入しましたが、本院でコクシジウムを発見したケースです。コクシジウムは便に均一に寄生している訳ではんく、検便はだれが診ても100%はありません。

あrabbit1)本症例のコクシジウム

あrabbit2)別症例のコクシジウム

  コクシジウムはアイメリア科とイソスポラ科に分かれます。
 ウサギはアイメリア科(Eimeria、spp)の感染になり、12種以上の属が同定されています。
 肝臓(主に胆管)と腸に感染します。

 肝臓(主に胆管)に感染するE.stiedaiは最も病原性が強いとされています。オーシストは胆管上皮で形成された後に胆汁とともに腸管腔に排泄されます。発育分裂がさかんな時期には胆管上皮を破壊し、胆汁の刺激等で炎症を生じ、胆管炎を併発します。すると継続的に胆管は肥厚し胆汁のうっ滞を招き、その結果消化障害や下痢などの臨床症状もおこします。通常の検便で検出は可能です。

  腸に感染するコクシジウムは検便で診断します。コクシジウムの病原性は種によって異なりますが、顕微鏡所見では(rabbit1)のような円形の形態と(rabbit2)のような楕円形の形態が診られますが、顕微鏡所見では強弱の判断はつかないため、虫卵を発見したら駆除することがベストの選択です。

●ウサギのコクシジウム症

●肝臓(主に胆管)コクシジウム Eimena Stiedai
●腸コクシジウム Eimena Perforans、Eimena.Magna、Eimena Media Eimena.Irresidue など
 
●治療
 サルファ剤を使用します。尿がアルカリ性のうさぎではサルファ剤は殆ど副作用のない薬剤です。
 紹介した症例はサルファ剤のスルファモノメトキシン(sulfamonomethoxine)を処方して、その後よくなりました。サルファ剤は1-2週間の投薬治療が必要でまた状態によってはもっと時間のかかる場合もあります。
 サルファ剤は直接コクシジウムに作用する特異的駆虫剤ではありませんが 、真核動物であるコクシジウムへの浸透がよい薬剤です。
 bookright arrowトルトラズリルToltrazuril)を使用も可能です。投与が1回ですむので便利ですが、日本ではウサギに多く使用されていない点が欠点です。牛用・豚用、dogright arrow犬用の効能外使用になります。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.01更新

あchick烏骨鶏のコクシジウム症


あ便の色が変わったので、診てもらいたいと川崎市宮前区から1ヶ月令の烏骨鶏の来院がありました。
 あ検便でコクシジウムが検出されました。

このオーナーは他にも4羽を飼育しています。1羽を駆虫しても他の烏骨鶏からの再感染が心配です。全羽に効果あるまで約2週間位必要なright arrowサルファ剤投与はオーナーが体力的には厳しいです。
そこで全羽に1回で駆虫が終わるright arrowトルトラズリルを処方しました。2週間後の検便でコクシジウムはいなくなりましたが、念のためトルトラズリルの再投与は行いました。その後は良好です。

 今回の症例は烏骨鶏でしたが、他の動物でも多頭飼育している場合は、同様な処置が必要になります。


 

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投稿者: オダガワ動物病院