小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.03.01更新

オダガワchick上皮小体亢進症が疑たがわれた小桜インコ


 

                           

 症例は1歳、小桜インコ 雌で川崎市麻生区からの来院です。
本日、よく寝るて、便が黄色いことできました。検便では異常なく入院中診ると多尿傾向になりました。
オーナーと話した結果、血液検査、レントゲンをすることに決定しました。採血は頚静脈からおこないました。


 
 血液検査では、ALP・IPの上昇がみられました。鳥類ではパラソルモンの測定が犬猫のようにできませんので、これ以上の検査は不可能ですが、上皮小体の亢進症が疑われる所見です。
治療はビタミンDの投与、日光浴になりますが、この症例は症状が少ないので、経過観察としました。
また便の色も改善しました。

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●参考資料 鳥の上皮小体

 厚い結合織性被膜をもつ甲状腺の数分の一の臓器で間質は乏しい。ほ乳類と異なり主細胞のみで酸好性細胞はない。上皮小体ホルモンが分泌されてCaの濃度を維持する。上皮小体ホルモンは血中のCaイオン濃度が低下すると主細胞から分泌される。(VitD3とともに働きかけて骨を融解させて上昇させる。リンの排泄を高める、腸のCa吸収もたかめる。)上皮小体を切除すると低Ca・テタニーおき、上皮小体ホルモン注射すると高Caがおきとされている。


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ハト回虫虫卵と成虫標本
小鳥診療に慣れた動物病院で検便をお勧めします。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.03.01更新

あchick糖尿病(Diabetes mellitus)のセキセイインコ


 

あ

 糖尿病はchickセキセイインコ(学名:Melopsittacus undulatus)では時々診られ、慢性的に血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が高い状態が続く病気です。

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あ  糖尿病の症状は多飲・多尿・多食になります。(写真)このchickセキセイインコ症例は3才の雄で、「水のような下痢になった」ことで来院しました。鳥類は一穴動物で、尿も便も同じ穴からでます。そのため、尿と便の区別がつきにい点があります。この写真は下痢ではなく、多尿を示しています。

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あ  このchickセキセインコは尿検査では尿糖が5+ありました。 (写真)また血液検査で血糖が600mg/dl以上ありました。

 chickセキセイインコの糖尿病の正式な原因は不明ですが、体重の増加は一因にあげられます。
犬猫ヒトはインスリンの低下でおきますが、鳥類はグルカゴンが原因でおこります。肥満になるとこれらホルモンがききにくくなります。ちなみにこのセキセイインコは54g (正常30-40g)ありました。
治療は経口血唐降下剤の投与になります。
 

 ヒトでは血液中にブドウ糖が異常に増えた状態が続くと、全身の血管が傷つけられ、その結果さまざまな合併症が起こってきます。細い血管に異常で網膜症、腎症、神経障害があり、また太い血管に異常で動脈硬化が悪化し、脳梗塞、心筋梗塞、閉そく性動脈硬化症などおこりやすいとされています。 ヒトではこれら糖尿病の合併症は年の単位でおきます。
 ヒトより生命が短いセキセインコは、合併症は少ないと考えられていますが、このセキセイインコはUAが高く腎症も疑われました。

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