小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.04.25更新

 あ

rabbitウサギの両瞬膜の突出


  4才の雌のドアーフ系ウサギが川崎市宮前区から来院しました。
 1ヶ月位前から、左右の瞬膜が突出することが気になりright arrow本院を受診しました。 
 
 オーナーさんは眼の病気と思って来院しました。
瞬膜がでている症例はウサギで責任病変が見つかりにくいことも多くありますが、本院では70%位は胸部疾患(心臓病・胸部腫瘍)であることが多いです。

 この疾患も精査したところ眼の病気ではなく、前縦隔の腫瘍と診断した疾患

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■右眼の所見
前縦隔1
■ホイネル症候群とは
 瞬膜の突出をホイネル症候群といいます。
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 フェニレフリンは交感神経薬なので、ホーナー症候群の病変部位の診断に使用できます。
 症状は①宿瞳・②第三眼けんの突出・③眼けん裂の狭小化・④眼球陥没が犬での定義ではありますが、このウサギは①②のみが診られ、眼は突出しているように診られました。
 
頭部より一次ニューロンがでて
胸椎(T1)胸椎(T2)胸椎(T3)の二次ニューロンになります。
そして中耳の手前から3次ニューロンになります。

         損傷部位     10%フェニレフリン点眼試験 
一次ニューロン 頭蓋内・頚椎病変   60-90分
二次ニューロン 腕神経・胸部      <45分 
三次ニューロン 中耳病変・眼球異常  <20分  
日本のフェニレフリンでは5%なので上記の1.5倍の時間で診ています。
このウサギは自宅から電話で2時間位で反応がありました。レントゲン所見と合います。

 

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■左眼の所見

前縦隔2
右眼と同様です。

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■左右眼検査         
                  

          右眼      左眼
ダズル反応       あり       あり
シルマーティアー  9mm       7mm
    眼圧    19mmHg   14mmHg
フルオルテスト   弱陽性     弱陽性
 
フルオルテスト弱陽性は眼が前に出気味なので、涙が十分にいきわたらないため生じていると判断して、ヒアレインを点眼してもらいました。また眼圧は正常です。

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■レントゲン検査
 胸腔の場合は、レントゲンを行います。
この症例は、前縦隔に腫瘍性病変が確認できました。

前縦隔3

前縦隔4

 この腫瘍が神経を圧迫して瞬膜がでていることが予想されます。
 瞬膜を治すには、この腫瘍を治療しなければなりません。

 腫瘍の確定診断には細胞診が必要です。
ウサギは胸腔を穿刺するとショックが稀におきます。
そのためこの症例は今元気なので、これ以上の精査はしませんでした。

 このような症例は比較的多く、来院します。腫瘍の種類としてリンパ腫、胸腺腫などの報告があります。
その場合、治療はステロイド剤や抗癌剤の投与になります。
今後1-2ヶ月に1回のレントゲン・眼科検査をしながら経過をおってゆく必要があります。
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ウサギの雌雄鑑別法
ウサギ・モルモット・ハムスターの強制給餌について
ウサギの便が肛門、足底に付着、蛆がわくこともあります。
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ウサギの眼 
ウサギの去勢手術
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flower2

 

 

 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.20更新

お
rabbitウサギの尿について


ウサギの正常尿
 尿検査紙はウサギ用はありませんので、ヒト用で代用しています。
① 
③ 
写真①、ウサギの尿はカルシウムが腎臓から排泄されるため正常で濁っています。
写真②、遠心すると沈みます。
写真③、ウサギの尿pHはアルカルです。写真④、溶けているのは炭酸カルシウムでです。
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ウサギの赤い尿
 
地元、川崎市多摩区登戸新町の方より、購入したばかりのウサギの尿が赤いので診てほしいと依頼がありました。
早速、尿検査をおこないました。人や犬猫でも、尿が赤ければいろいろな疾患が考えられます。

 
 
オーナーが持参された尿と尿検査

 ウサギは野菜などアルカリ食を食べますので、尿pHは正常でアルカリになります。
そのため血液のpHは7.4前後で維持しています。
 赤く見える尿ですが、尿検査で上記のように尿潜血は陰性です。
ウサギの尿はストレス・たべものによって、色がいろいろ変化すると推察されています。残念ですが、正式な理由は不明です。
 この症例は治療の必要はありませんが、尿潜血 陽性の場合は、膀胱結石、雌なら子宮腫瘍などの疾患が考えられます。
 他の解釈は犬猫とおおきな相違はありません。 
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ウサギの潜血プラスの尿
① 

 
 写真①、見た目は、写真②、遠心後は普通の尿ですが、写真③、尿検査では潜血はプラスになった症例です。このように、尿検査は肉眼では判断できないことを検出してくれる鋭敏な検査です。
またこのウサギは食欲不振なため、尿pHも酸性になっています。また
写真②では沈渣もありません。

rabbit血尿のウサギ

 うさぎはCaが腎臓から排泄されるので、正常で少々濁った尿にみえます。

またときには正常でも赤みのかかった尿にみえることもあります。



 
  正常、異常の鑑別は尿検査でおこないます。尿検査で潜血が陽性なら、どのかに疾患があると考えた方が賢明です。

 紹介した症例は潜血が陽性で、レントゲン検査では結石はありませんでした。

 うさぎは膣前庭が広く、尿と帯下の区別はつきにくい動物です。

 抗生剤を1週間のんで、尿潜血が治らない場合や、再度おきる場合はたいてい子宮に腫瘍がある場合が殆どです。

この症例も手術をしました。



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あ

 flower2レオナルドダビンチ(バラ種)

 

 

 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.19更新

オダガワrabbitウサギの赤い尿




持参した尿

地元川崎市多摩区登戸から来院した4才雄のうさぎです。
本日血尿かもしれないとことこで尿持参で来院しました。
ウサギは正常でも尿が赤色になることがある動物です。

治療対称であるかどうかは、尿検査で判断します。
尿の色が赤くみえていても、尿検査で潜血が陰性なら、治療の対称ではありません。


この症例は尿潜血陰性なので、無処置としました。またウサギのpHは正常でアルカリです。

 このような症例は時々来院します。

 本院の経験では、①うさぎの長期のペットホテルや、②うさぎが遠くから来院すると、いつも肉眼では尿が赤くなる症例を経験しています。何れも尿潜血は陰性でした。
そのため個人的にはストレスも関係していると推察しています。
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■しかし尿潜血陽性の場合
膀胱結石、子宮・卵巣腫瘍などの場合もありますので、注意は必要です。

いし
rabbit膀胱結石

しきゅうrabbit子宮・卵巣腫瘍


【関連記事】
ウサギの尿について
血尿を呈したウサギの子宮腫瘍の症例
ウサギの膀胱結石
モルモットの尿
ヒルズC/DとロイヤルカナンpHコントロールについて(猫)

 


 

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あ

 flower2タチツボスミレ

 
 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.19更新

オダガワ
rabbitウサギの精巣腫瘍


あ 

 川崎市宮前区より、腹部がはれているとのことで、来院した10才 雄 ダッチ種です。うつ伏せで診ると、左の精巣がはれています。

あ

 細胞診
セミノーマを疑いました。
年齢が高齢なことより、経過観察としました。

●セミノーマは良性の腫瘍の1種です。


【関連記事】
血尿を呈したウサギの子宮腫瘍

 


 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.10更新

あ
 rabbit前縦隔に「しこり」のあるうさぎの診療、ステロイドとウサギ


   雄の3才6ヶ月のうさぎが神奈川県川崎市中原区より来院しました。
 これまでかかっていた動物病院に不満がある訳ではないのですがセカンドオピニオンで本院を訪れました。

 これまで1年半前と2ヶ月前に他の動物病院で「毛球症」と診断されました。2ヶ月前の「毛球症」のとき、レントゲンで前縦隔に「できもの」があることがわかりました。

a

aレントゲンでは前縦隔の「できもの」は確認できましたが、本院来院時はうさぎが興奮してうまく撮れませんでした。このウサギは前縦隔の「できもの」によく診られる眼の瞬膜の突出はありませんでした。

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 前縦隔の「できもの」にはリンパ腫・胸腺腫・膿瘍などがあり、それらを診断するためには可能ならエコーのガイド下で細胞診をして確定診断をすることが良いとされています。リンパ腫と診断できればよりよい抗腫瘍剤の投与も検討できます。胸腺腫ならとくに効果ある薬剤はないと推察できます。そのため胸腔穿刺は獣医学上重要な検査です。しかしウサギは、胸腔に針を刺したのみでショックを受けて死亡するケースも希にあると言うはれています。
 
 そこで前の動物病院では前縦隔の「できもの」の治療でright arrowステロイを2ヶ月間減量しながら飲ませていました。

 そこで「ステロイドをこのままいつまで服用しなければならないのか、また投与の良い点・悪い点を」訪ねたくセカンドオピニオンで本院を受診しました。
 
 今の検査結果のみでは。このままステロイドを維持量で投与してみることやっとでです、なんとなくright arrowステロイドを飲ませることでオーナーは納得されているのか。 これ以上の良い診療を希望されるなら、胸腔穿刺で細胞診を行わないとできない点を伝えました。なおウサギはright arrowステロイド代謝は苦手とされていますが、臨床の場では結構耐えてくれます。

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●参考資料 ウサギへのステロイド剤の使用 
 right arrowステロイドは使用法の難しい薬剤です。長期投与すれば副作用はでます。しかしステロイドを投与しなければ生きてゆけない病気もあります。しかし上記したように結構耐えてくれます。
 本院では必要な場合のみウサギに使用しています。また長期投与には注意しています。
 ウサギはストレスに弱いのでright arrow、ステロイド投与によりストレス状態にすることは良いことではありません。好中球を融解させる報告もあります。ステロイドへの抵抗性を猫>犬>牛>豚・人・馬>うさぎ・マウス・ラット・ハムスターと定義している場合が多いです。
 その理由として諸説ありますが、ステロイド母核をもつ葉(ジギタリス葉・ユリ・自然薯など)は草食獣に食べられないように苦味を発して種の維持を計っています。そのため草食獣は食したことが殆どないステロイドの代謝が不得手な動物です。また私達がステロイドを飲むとき苦みが生じるのはこのためです。しかし雑食性動物は進化の過程でステロイドを代謝する酵素を獲得したのでウサギに比べて適応力があります。

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direうさぎの病気
rabbitright arrowウサギの乳腺腫瘍
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投稿者: オダガワ動物病院

2018.04.01更新

オダガワrabbitウサギの乳腺腫瘍


 


 ■ウサギの乳腺 
  雑種8才雌です。たいぶ前から乳腺に「しこり」があり来院しました。体重は2.0kgです。
 この症例は4対8つの乳腺すべてが触診で腫瘍化してました。



■乳腺の細胞診をしました。 
 低倍率で多数の集塊があり、核の大小不同があり、乳腺癌と診断しました。
 
 うさぎの乳腺癌は「ガン中のガン」で外科で切除してもすぐ再発する場合が多いです。
 手術は可能ですが、全身状態も悪く、ウサギの乳腺腫瘍のキャラクターも考慮して、無処置にした症例です。 拡大してみると、赤く腫れあがって自壊が心配です。うさぎの乳腺腫瘍は悪性度が高くわるいことが多い腫瘍です。1つとっても、また別の乳腺にできることがよくあります。
 

 この乳腺腫瘍は皮膚の固着はなく、摘出は可能ですが、オーナーとは血液・生化学検査をして麻酔のルスク、年齢を考慮して考えましょうという提案をしました。
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■参考資料 偽妊娠による乳汁の過剰

 別のうさぎですが、乳腺が腫れて来院しましたが、細胞診をすると、乳汁が過剰に貯まってました。腫瘍ではなくこのようなケースもあります。


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投稿者: オダガワ動物病院

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