小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.05.13更新

あtigerストロバイト結晶の猫


  1才の雄の猫が頻尿を主訴に来院しました。尿検査でhpHは8.0で、蛋白、潜血が陽性でした。

あ

尿を遠心すると多くの沈査がえられました。

あ

顕微鏡でストロバイト結晶が診られました。

 この猫は1歳で多くのストロバイト結晶が診られました。今後尿路閉塞にならないか心配です。

 このストロバイト結晶の治療は食事が一番です。ヒルズ社から溶解用s/d、維持用のc/dが、ロイヤルカナン社から溶解、維持を目的にpHコントロール(0.1.2)が販売されています。これらの食事を使用していれば、溶解期を過ぎれば、殆どの症例が良好に維持できます。またこれらの食事を食べてくれない場合は、ゼンラーゼ®等の予防サプリメントを考慮します。

 上記した処方食は普通のキャットフードに比べて、費用が3倍近くかかります。そのため病状が良くなると食事を普通のキャットフードに戻したがるオ-ナーをよく見ます。しかしストロバイト結晶はもって生まれた体質おこることが多く、普通のキャットフードに戻すと、尿路閉塞に再度なりやすくなります。(本院の経験では70%位)当然再度動物病院に多くいくことになり、猫も苦しみ、余計に費用もかかる結果になります。以上の理由でこの猫はストロバイト結晶に1歳でなってので、生涯食事療法を薦めました。

 またサプリメントも同様に考えています。サプリメントと上記した処方食の同時長期投与は控えてください。より厄介な病状になることがあります。

 このオーナーは2匹の猫を飼育しています。c/dやpHコントロール(1.2)は猫が生活していくための食事は入っているので、生涯この食事が与えられます。またストロバイト結晶でない猫が主食にしても問題は生じにくいと考えられています。このオーナーは2匹にpHコントロールをあげています。


 

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【break time】
あ

 flower2紫陽花(5月、石尾根)

 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.13更新

あtiger猫の糖尿病


  糖尿病とは、インスリンというホルモンの作用が低下したため、体内に取り入れられた栄養素がうまく利用されず血糖値の高い状態が続く疾患です。血糖値が高いだけだと自覚症状はありませんが、様々な病気を引き起こすことにつながります。それが「合併症」です。血管が痛むために目や腎臓などに障害がでやすいです。

 糖尿病は膵臓からのインスリンの分泌不足(インスリンが足りない状態)のⅠ型糖尿病と、インスリンは分泌されていますが、肥満、感染症などによりインスリンの作用(効果)が出にくい(インスリンが有っても血糖値が下がらない状態)Ⅱ型糖尿病とが有ります。

 猫の糖尿病はヒトのⅡ型糖尿病に発生機序が似ています。血糖値が上昇すると、膵臓ランゲルハンス島β細胞からインスリンが分泌される際に、同時にアミリン(islet amyloid polypeptide, IAPP)という蛋白質も分泌されます。Ⅱ型糖尿病の状態が長く続くと、「糖毒性」などによりインスリン産生量は低下していきます.アミリンにはプロアミリンという前駆物質があります。インスリン抵抗性があると,プロアミリンからアミリンへの変換がうまく進まず,過剰に余ったプロアミリンが膵島に集まり、アミロイドが沈着します。以上の理由で、Ⅱ型糖尿病も末期になるとインスリンはでなくなります。

あ

 写真の猫は10歳時に、多飲・多尿を訴え糖尿病で来院した症例です。初診時は血中グルコース500mg/dl以上、糖化アルブミン58%と高値でした。この猫はインスリンとしてランタス®を1日2回で皮下注してもらいました。ランタス®を皮下注後4-6時間後に来院して頂、血中グルコース150-200mg/dl、糖化アルブミン20-30%内で約4年間生存しました。しかしランタス®特有の副作用に悩まされ、低血糖とおもはれる症状を併発して大変な日もありました。

あ


 

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【break time】
あ

 flower2染井吉野

 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.10更新

あ

tiger猫の「てんかん」


 

  

 症例は雄の日本猫です。6ヶ月どきに「てんかん」が治まらない理由で転院してきました。初診時は時間外の緊急でした。神奈川県川崎市宮前区からの来院です。

猫のてんかんについて

●血液・生化学は下記にようで特に異常はありませんでした。(6ヶ月どきの値)

 
 その後抗てんかん薬を処方して、経過をみました。抗てんかん薬が安定するまでには約2週間を要します。最初の2週間は何度か「てんかん」をおこし大変でしたが、2週間以後は安定して、1日2回の抗てんかん薬の投与で、2年間良い維持をしています。現在「てんかん」も年1-2回位しかおきません。


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最終更新:平成27年4月22日(火)5時15分


 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.05更新

オダガワtiger猫のてんかん剤の注意点


  他院で、『てんかん』が治らないことで来院した1才の雄猫です。
 最初に代謝性疾患で『けいれん』をおこす病気の除外のため、血液・生化学の検査をおこないとくに異常な所見はありませんでした。また最近はめっきり減少しましたが、ホウ酸ダンゴ、チョコレートの大量誤食などでも痙攣はおきます。


 当院ではてんかんは1ヶ月に1回おこることが薬剤を飲ます分岐点にしています。この症例は週に2-3回てんかんがあり、抗てんかん薬の対称です。
 他院でも抗てんかん薬を処方されていましたが、なぜか投与量がやたらに少なく、そのために効果がないと判断しました。投与量を正常にすると『てんかん』の良好な維持ができました。

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■抗精神薬の使用法
 
これら抗てんかん薬は、90%の、『てんかん』に効能をしめします。しかし中には薬剤でコントロール不可能な症例もあります。また薬剤により個体差もあることが特徴です。『てんかん』の数が多いのに治療しないと早期死亡の原因になります。

 また『てんかん』は動物種で効果ある薬剤は異なります。猫ではフェノバルビタール・ジアゼパム・ゾニサミドが維持薬として推奨されています。どの薬剤も長所・短所はあります。とくにフェノバルビタールとゾニサミドの飲み合わせは注意が必要です。ジアゼパムも肝障害は注意が必要です。なお犬で時々使用される臭化カリウムは猫は禁忌です。

投薬後、猫の鎮静状態が強い場合はお早めに連絡ください。

 抗てんかん薬は生涯使用するケースが多く、そのため副作用をおこさないように、必要に応じて血液・生化学検査、血中濃度を定期的にモニターすることをお勧めします。

 まれに老化でてんかんは治ることはありますが、当院では抗てんかん薬をやめるこては薦めていません。オーナーの判断で勝手に薬剤をやめると急死する場合もあります。抗てんかん剤をやめたい場合は、担当獣医師とよく相談してください。当院では老化でてんかんは治った症例は経験ではありません。-------------------------------------------------------------------- 

あ
フェノバルビタール 特徴として錠剤・シロップ・粉など薬剤形態はさまざまなものがあります。

■フェノバルビタール 
  写真は猫の『てんかん』によく使用されるフェノバルビタールは長い使用歴史があります。猫の70%位のてんかんは抑えられます。一生投与する可能性のある薬物であること、また投与量と血中濃度がリンクしない場合もあり、ヒトでは血中濃度測定薬物です。猫でも同様です副作用を少なくする意味で、投与後は年1-2回の血中濃度と血液・生化学検査をお薦めします。
 

 この薬剤は3週間投与してやっと血中レベルが安定します。 普段は血中のレベル15-45μg/mlで安定していることが理想とされてますが、低濃度でも『てんかん』が抑制されていればよいです。オーバーしている場合は将来、副作用の肝障害になる可能性があり、フェノバルビタールの用量の調節、別の薬剤への移行を考慮しなければなりません。
 血中濃度の解釈を解かりやすく言えば、45μg/ml以上ある猫は、ヒトに例えればウイスキーのボトルを毎日飲んでいるような状態です。家庭でこんな酒の量を飲んでいれば注意されます。本当に肝臓が心配です。
 血液・生化学検査では肝臓の機能などが数値化して示されます。肝臓は神経がなく、症状が現れるのは末期が多いです。そのため早期の発見に検査は大切です。

 この薬剤を8年間、盲目的に投与して、血中濃度が60μg/mlになり、重傷な肝障害で死亡したケースが報告されていたことはありました。
 
 本院では長期に投与の症例で血液・生化学・血中濃度の測定をしてくれるオーナーは多くはいません。先日測定した2症例はフェノバルビタールの血中濃度は15μg/mlと58μg/mlでした。後者は用量を少しさげないといけないかもしれません。欠点として、副作用を少なくする意味で、検査は大切ですが費用がかかります。
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■ジアゼパム 
 猫では犬の違ってジアゼパムの長期投与が可能です。てんかん症例の場合はフェノバールで効果のない猫には、次の薬剤として使用しています。しかし注意事項があります。多くはありませんが投与後に急性肝壊死という病態が起こることがあり、必要に応じて、血液・生化学検査が必要です。本院では発生の経験はありませんが注意は必要です。90%の癲癇は維持可能です。獣医師により好き嫌いのわかれる薬剤です。
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あ
ゾミサミド製剤・ヒト用、犬用はあります。猫用はありません

■ゾニサミド 
 猫では多く使用されてませんが、投与は可能です。難治性てんかんに良い意見もありますが、錠剤は不味いらしく、猫はたべてくれないことが多いです。食欲不振になるケースもあります。------------------------------------------------------------------

あプレガバリン製剤

■プレガバリン
 難治性てんかんに使用されている薬剤です。まだ多くは使用させていないので詳細は不明です。


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投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.05更新

オダガワ
tiger仔猫の健康診断❷
(ワクチン、猫白血病、猫エイズ、猫伝染性腹膜炎、猫カゼなど)

 

わ ■camera猫3種混合ワクチン

  猫3種混合ワクチンは猫カリシウイルス感染症・猫ウイルス性鼻気管炎・猫汎白血球減少症の3つのワクチンです。
接種してから2週間位たって効力を発揮します。
 先の2つはよくネコカゼと言われているウイルス性疾患で70%位の予防が可能です。また接種した場合重症化しないとされています。
 猫汎白血球減少症はパルボウイルスによりおこる嘔吐下痢を主症状の致死的な伝染病で98%位予防は可能です。
 本院では初年度は2ケ月、3ケ月、4ケ月の3回投与して、その後年1回の接種を勧めています。
本院に来院する猫は室内飼育が殆どなので、下記に説明する猫白血病、猫エイス検査が陰性で、外にでなければ、この3種ワクチンのみの投与にしています。

 tigerright arrow 猫のワクチンは

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■猫カゼ(ヘルペス性の可能性高い)


あ

 母猫は出産時の免疫を最大限に落とす状態になります。出産する母ネコに「猫のカゼ(FVR感染)」の既往歴があると、
ヘルペスウイルスは神経細胞から末梢に出現します。
出産後母猫は子猫を舐めますので、生まれた子猫にヘルペスウイルスを感染させてしまうことになります。
そのため子猫は「猫カゼ状態」でよく保護されます。

tigerright arrow猫カゼの症状

 
 ■しかし中には紛らわしい症例もあり遺伝子診断に至ったケースもあります。
 
 ------------------------------------------------------------------- 
 ■猫白血病、エイズについて

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投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.05更新

オダガワtiger仔猫の健康診断❸
(去勢、避妊手術、誤食、皮膚糸状菌感染)

tiger猫の去勢、避妊手術
  去勢・避妊手術を行うことで、種族維持のためストレスがなくなり、穏やかに暮らしていける点が大きな意味を持っています。
またメスの場合、罹患率の高い乳腺腫瘍や子宮に関する病気の予防に、オスの場合も、精巣腫瘍や前立腺肥大、肛門周囲腺腫など、精巣ホルモンの働きが関係する病気の発症率を軽減します。
 デメリットとして、 太ることがありますが、適切な食事のコントロールである程度は防ぐことができます。まれにホルモン失調の疾患があります。

 これら去勢、避妊手術は生後5ケ月ー6ケ月から可能です。
全身麻酔が必要なので、可能なら手術可能か術前検査をお薦めします。持病の有無、性格や成長の度合いなどにより手術時期は多少異なりますので、まずは猫をつれてご来院ください。

 tigerright arrow雄猫の去勢手術
 ■tigerright arrow雌猫の避妊手術
 ■時期によりますが、giftright arrow①川崎市および②川崎市獣医師会、2施設からの補助金制度があります。
不明な点はtelephone044-900-8588までお願いします。

■なお、当院ではdogtigerright arrow発情抑制の注射剤『コビナン』による発情のコントロール可能です。
日本では犬の発情抑制のみが認可されてますが、世界的には猫にも多く使されています。
副作用の関係で、健康な猫には長期使用はお薦めできませんが、若年期に大病を患ったときなど、麻酔に耐えらえない特殊な事情がある場合に使用をしています。
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tiger誤食
 
魚などの匂いがついているビニール、ラップ類は誤食してしまうケースがあります。
また本院では猫じゃらしで遊んでいたら、すべて飲み込んでしまったケースや外出中に先のみ食べてしまうケースもありました。
外出中は猫の目の届かい場所での保管をお薦めします。

あ

あ
tigerright arrow仔猫のビニールの大量誤(手術症例)
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お ■tigerright arrowねこじゃらしを誤飲し、催吐剤で出した症例

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tiger猫糸状菌症(別名、猫真菌症、猫カビ)



あtiger皮膚糸状菌感染の猫(紅斑の皮疹例)


【続きを読む】

麻酔前投薬のアトロピンの原料になります。

投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.04更新

あ

tigerシスチン結晶の猫


  5才の雄の猫が尿路閉塞で来院しました。掛り付けの動物病院が休診なので、本院を訪れました。

膀胱内をエコーで診ると、結晶様の物質が観察されました。

a

エコー像

 この猫は掛り付けの動物病院ではシスチン結晶で何度か尿道カテーテルを入れているそうです。

 今後のことは掛り付けの動物病院でおこないたいというオーナーの意向もあり、本院では尿道カテーテルをいれて、生食で洗浄をして治療は終了しました。

a

遠心して多くの沈査はえられませんでした。

a

しかし顕微鏡で五角形のシスチン結晶が診られました。

この猫はアミノ酸の給餌を最小限にする意味で、腎臓サポートをたべさせていました。また薬剤はチオラを常時、飲ませて、皮下補液もしてましたが、再発してしまいました。

シスチン結晶は、適格に予防できる有効な薬剤、食事がなく、厄介な疾患です。


 

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【break time】

あ

flower2レオナルドダビンチ(バラ種)
 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.04更新

おtiger猫免疫不全ウイルス(通称、猫エイズ)とは


 猫免疫不全ウイルス(以下FIV)はレトロウイルス科 レンチウイルス属の感染でおき、これまで世界中で発見されています。タイプがA,B,C、D、E、Fと6種類あります。ヒトエイズと病態が似ているので通称『猫エイズ』とも呼ばれています。なお『猫エイズ』はヒトには感染しません。FIV検査は新たに猫を飼育した場合や、去勢・避妊手術の前にFeLV、FcoVと併せて健康状態を把握することで行うことをお薦めしています。

 FIVに感染しても猫は急死することは幼猫期を除き殆どありませんが、長期的には免疫が抑制されて猫の寿命は短くなる傾向になります。咬傷が主要な感染ルートなため、縄張り争いなどで喧嘩の多い雄猫は雌猫にくらべて2倍の感染率があります。室内飼育猫と室外飼育猫、また健康猫と慢性疾患猫をくらべると前者は高いFIV陽性率を示します。そして年齢の増加とともに感染率は上昇する傾向にあります。国別の感染率を調べるとスイスでは1%、北米では1-5%、ニュージーランド9%ですが、猫を飼う文化があって、国土が狭い日本、イタリアは12%もの感染率があります。我が国ではこの結果が礎で猫の室内飼いが薦めるられるようになりました。私の動物病院のある川崎市多摩区では、開院した20年前は約半分は外猫でしたが、ここ10年は猫20匹中1匹ぐらいの割合でしか外猫は来院しません。

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■感染様式

水平感染
 咬傷が主要な感染ルートです。感染猫の血液、血漿、唾液などにウイルスが存在します。咬んだ猫の口腔内に出血を伴う病変がある場合は伝播効率が高まります 。グルーミングや食器を介した感染はありません。同居猫には派手な喧嘩がなければ感染はおこらず、まずおきません。交尾による異性間感染 生殖器を介した感染は明らかではありません(精液中にウイルスは存在しますが。)交尾時雄は雌の首筋を噛んでおこなうのでそのため感染すると推定されます。
垂直感染
  乳汁中にウイルスは存在しますが、母猫から子猫への周産期の感染は少ないです。母猫の感染時期やウイルス株の性状が影響します。

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■感染経過
 咬傷
に侵入したFIVウイルスは、皮膚樹状細胞で増殖して、その後もリンパ球、単球、マクロファージ等に感染します。特にウイルスを排除しようとして活性化したCD4陽性Tリンパ球に感染します。FIV感染Tリンパ球はアポトーシスにより死滅し、長い年月をかけてヘルパーT細胞が枯渇して免疫不全に陥ります。感染後4-8週で抗体は陽性になり、血液からウイルスが分離されます。
 FIV感染はヒトエイズ同様治すことはできませんが、ヒトのエイズ治療と同様、次のステージに進まないようにストレスをなくすことで長生きできたケースもあります。

あcamera写真1 FIV陽性で5ヶ月の猫、猫カゼは治らず死亡例

 そのためFIV感染後の臨床徴候に基づき 5 病期に分類され今の状態を把握することが大切です。最初に見られるのは急性期(AP期)で抗体陽性とほぼ同時に発熱・好中球減少・リンパ節腫脹の症状が見られ、数週(1-2ヶ月)~数ヶ月(12ヶ月)持続します。成猫ではこの状態を把握できない場合もありますが、幼猫はこの時期に細菌性肺炎、腸炎で死亡する場合もあります。(camera写真1)急性期の臨床症状がなくなると無症状キャリア期 (AC期)に入ります。この時期は2-4年位で無症状キャリア期から年間18%が次のステージに進むとされいます。現状ではこの時期を認識しQOLを高めることが重要です。発症のサインを早期に察知できるよう注意します。すべての猫が発病してこの先のステージにいく訳ではありません悲観的にならないことも大切です。その後、持続性リンパ節腫大期(PGL期)に入り 全身のリンパ節が腫脹 しは2-4ヶ月続きます。またこの時期から様々な臨床症状がみられます。こcamera写真2 FIV陽性で口内炎の症例

 次にエイズ関連症候群(ARC期) に入ります。この時期は平均5才(個体差多い)でおき数ヶ月~1年位続きます。リンパ節腫脹、慢性の口内炎(camera写真2) 慢性の呼吸器病、皮膚病などがおき、その後エイズ期(AIDS期) に入ります。ARC期の症状に加え、削痩、貧血 、 白血球減少、悪性腫瘍などが起きます。CD4陽性Tリンパ球の減少がおき、 日和見感染が原因で慢性難治性の疾病に悩まされ、猫の身体的・精神的な負担になることが多いです。

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■診断・予防

あcamera写真3 FIVの検査 陽性例 左側に青い点が見れます。

 FIVの検査は血清診断が一般的です。(camera写真3)ELISA、免疫クロマト法およびウェスタンブロット法によりFIVの構成蛋白に対する抗体を検出します。血液より15分で診断できます。注意点として母猫がFIV陽性だと子猫は6ヶ月までは移行抗体の関係で陽性と表示されることはあります。この場合はFIV感染とは考えにくい場合が多く、臨床症状とあわせて考慮する必要があり7ヶ月以後に再検査が必要です。しかし母猫から子猫への胎盤を通じてFIV感染はない訳ではありませんが症例は少ないです。(camera写真1)

 最も確実な予防はFIV感染猫との接触を防ぐことです。また新しく猫を飼う場合にはウイルス検査を行うまで隔離する必要があります。検査をして陰性なら猫を屋内で飼育すればFIV感染は殆どありません。また闘争の防止のため避妊、去勢手術を行うことも大切ですが、去勢・避妊手術の前にFIV検査(FeLV、FcoVと併せて)をして手術前に健康状態を把握することは大切です。
 FIVに対する不活化ワクチンが市販されていますが、6つある型のうち一部の型にしか防御効果はありません。この点を了解いただければ、屋外にでることがある猫にはワクチン接種が推奨されます。ワクチン接種猫の注意点として、現行の検査キットでは抗体陽性となり、実際に感染している猫との鑑別が困難になります。特別なELISA検査による鑑別が必要です。あらたな動物病院を受診する際にはオーナーがワクチン接種歴を正確に把握することが大切です。


direネコの病気

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あ
flower2紫陽花(川崎市生田緑地、6月)

  

投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.03更新

オダガワtiger猫の耳ダニ症 


なかじょう1

なかじょう2
camera初診時の右耳、左耳の写真

 地元多摩区の症例です。避妊手術目的で来院した猫の耳をみたところ黒くなっていました。オーナーに聞くと、よく痒がっているそうです。またオーナー自身も最近少々痒みがあるそうです。

 耳垢は、鼓膜の中心で作られ徐々に外耳を移動しています。そのスピードはヒトで1日に0.1mmと非常にゆっくりです。そして耳介ではがれ落ちます。この症例は耳ダニがいたためそのスピードが増して耳垢多くなったと推察されます。---------------------------------------------------------------------

なかじょう3
camera耳掃除の内容物

なかじょう4

なかじょう5
camera顕微鏡(×100)で診ると、耳ダニ成虫(写真上)、卵(写真下)が診られました。

この症例は5枚目、6枚目のプレパラートで始めて発見できました。


 pencil2治療はセラメクチンを使用しました。

セラ 

 このオーナーは合計6匹の猫を飼っています。よく話を聞くと、他の猫も耳を痒がっているみたいです。新しく購入した猫に耳ダニが感染して、蔓延したみたいです。この耳ダニはヒトも痒みが生じますが、ヒトの皮膚では生育できませんので増殖はしません。しかし猫を治療しない限り再度おきる可能性があります。

 この耳ダニ症、単純な病気ですが、最近、本院ではよく診ます。またなぜかセカンドオピニオンでもきます。放っておくと、猫は中耳炎、内耳炎まで発達し治癒不可能になります。早めに気づいて、適切な薬剤を使用すれば100%治る病気です。ただし飼育している猫すべてに駆虫剤の投与が必要です。また卵に効果ある薬剤はありませんので月1回で合計2-3回薬剤は必要です。


 

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【break time】

あflower2ニリン草(高尾山、日影沢、4月)


 

 

 

 

 

投稿者: オダガワ動物病院

2018.05.03更新

あ
tigerクリプトスポラジウム感染で下痢の仔猫

  症例は保護施設からきた日本猫(約4ケ月)雌です。軟便が3週間続き来院しました。

あ

 直接の検便では虫卵などは検出されませんでした。そこでIDEXX RealPCR™ 検査(猫の下痢パネル)を追加しました。結果まで約1週間かかるため、検便で検出しずらいトリコモナスを考えチニダゾールを処方しました。

 1週間後、IDEXX RealPCR™ 検査(猫の下痢パネル)でクリプトスポラジウム(Cryptosporidium )が発見されました。

あIDEXX RealPCR™ 検査(猫の下痢パネル)の結果

 クリプトスポラジウムはウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ネズミなどの腸管に寄生する胞子虫類の原虫です
1976年にヒトでの感染も報告されている人獣共通感染症です。

 特異的に効果ある駆虫剤はありませんが、軽度なら2-3週間で自然治癒することもあります。この症例は偶然チニダゾールが効果的に働き、1週間で下痢は良くなりました。念のためもう1週間チニダゾールを処方しました。

 生活環はオーシスト(大きさ4~6μm)の経口摂取でおきます、経口摂取後、小腸の細胞に寄生して無性増殖します。のちに有性増殖して作られたオーシストが糞便とともに体外に排出され環境中の感染源となります。
水に強く水道水などに混入した場合 オーシストは長く生存します。塩素に対して極めても強い耐性がありますが、熱や乾燥に弱いことが特徴です。

 この症例は治療と平衡してネコが使用しているトイレ、器具などで、可能なものは日光、熱湯消毒してもらいました。その後IDEXX RealPCR™ 検査(猫の下痢パネル)の再検査はしてませんが、初診より1ケ月経った現在、便も良好でネコも元気でいます。オーナーも異常ありません。


 

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【猫の寄生虫】
tigerright arrowネコ、瓜実条虫(Dipylidium caninum)

 tigerright arrow猫の耳ダニ症

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あ flower2河津桜(三浦海岸、3月)


 

投稿者: オダガワ動物病院

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