小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.11.09更新

あdog高脂血症の犬


acamera写真1)症例は5歳のヨーキー雄です。肥満体質ではありません。
12時間絶食して採血しても血漿が白く、生化学検査で脂質、{総コレステロール364mg/dl、トリグリセリド(中性脂肪)500>mg/dl}と高値のため、リポ蛋白を分析(LIPO TEST)をおこなった症例です。

 

 dire高脂血症とは
 血液中の脂質{総コレステロールとトリグリセリド(中性脂肪)}の両方、または一方の濃度が増加して、血漿が白い状態を指します。

 上記の脂質は肝臓で合成され、コレステロールは細胞膜の構成成分や、ホルモンの原料になります。トリグリセリド(中性脂肪)は体内で燃やすことで、活動に必要なエレルギーを作るので、両者とも本来はなくれはこまる成分です。
しかし、必要以上に存在すると、血管、身体に付着して悪影響を及ぼします。

 

 dire診断は
 食後は正常でも血漿は白くなることはありますが、12時間絶食して採血しても、写真1のように血漿が白く、脂質{総コレステロールとトリグリセリド(中性脂肪)}の両方、または一方の高い状態を高脂血症と診断します。

  これら脂質は水に溶けないので、血中では単独で存在できず、リポ蛋白と結びついた状態になっています。簡単に言えばリポ蛋白という〃船〃に積まれて血中を移動し、必要な場所で〃船〃から降され使用されます。

 フリーアナウンサーの徳光さんの宣伝に出てくるHDLとか、また健康番組などでLDLなどの言葉を耳にした方は多いとおもいますが、それらがリボ蛋白を示す単語です。
 
 高脂血症は脂質がリポ蛋白と結合ができず遊離して存在するか、また特定のリポ蛋白と結合が多くなる状態を指します。
 

 そのためより詳細を調べるには、このリポ蛋白を分析(LIPO TEST)をしなければなりません。

 

 dire原因は
 原因は遺伝性や特発性(原因不明)で発症する原発性(一次性)高脂血症と、肥満や糖尿病など基礎疾患が原因で起こる続発性(二次性)高脂血症に分かれます

 原発性(一次性)高脂血症にはパターン別の高脂血症剤を使用します。また続発性(二次性)高脂血症は基礎疾患の使用が中心になります。

 

 direこの症例の結果は

acamera写真2)

  この症例は他の検査など総合的に判断して、続発性高脂血症の様子はありませんでした。
リポ蛋白分析(LIPO TEST)の結果から、原発性(一次性)高脂血症のパターン2と診断しました。(写真2)
 治療にはフィブラート製剤を使用しました。

 

  dire2週間後の来院

acamera写真3)フィブラート製剤を投与して2週間後

 フィブラート製剤を投与して2週間後、血漿も透明になり、(写真3)コレステロールは364mg/dlから354mg/dlに、トリグリセリド(中性脂肪)500mg/dlから126mg/dl(共に12時間絶食)によくなりました。
 今後は薬剤の回数を減らしてして維持していく予定です。


 

 

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投稿者: オダガワ動物病院

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