小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.05.05更新

オダガワtiger猫のてんかん剤の注意点


  他院で、『てんかん』が治らないことで来院した1才の雄猫です。
 最初に代謝性疾患で『けいれん』をおこす病気の除外のため、血液・生化学の検査をおこないとくに異常な所見はありませんでした。また最近はめっきり減少しましたが、ホウ酸ダンゴ、チョコレートの大量誤食などでも痙攣はおきます。


 当院ではてんかんは1ヶ月に1回おこることが薬剤を飲ます分岐点にしています。この症例は週に2-3回てんかんがあり、抗てんかん薬の対称です。
 他院でも抗てんかん薬を処方されていましたが、なぜか投与量がやたらに少なく、そのために効果がないと判断しました。投与量を正常にすると『てんかん』の良好な維持ができました。

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■抗精神薬の使用法
 
これら抗てんかん薬は、90%の、『てんかん』に効能をしめします。しかし中には薬剤でコントロール不可能な症例もあります。また薬剤により個体差もあることが特徴です。『てんかん』の数が多いのに治療しないと早期死亡の原因になります。

 また『てんかん』は動物種で効果ある薬剤は異なります。猫ではフェノバルビタール・ジアゼパム・ゾニサミドが維持薬として推奨されています。どの薬剤も長所・短所はあります。とくにフェノバルビタールとゾニサミドの飲み合わせは注意が必要です。ジアゼパムも肝障害は注意が必要です。なお犬で時々使用される臭化カリウムは猫は禁忌です。

投薬後、猫の鎮静状態が強い場合はお早めに連絡ください。

 抗てんかん薬は生涯使用するケースが多く、そのため副作用をおこさないように、必要に応じて血液・生化学検査、血中濃度を定期的にモニターすることをお勧めします。

 まれに老化でてんかんは治ることはありますが、当院では抗てんかん薬をやめるこては薦めていません。オーナーの判断で勝手に薬剤をやめると急死する場合もあります。抗てんかん剤をやめたい場合は、担当獣医師とよく相談してください。当院では老化でてんかんは治った症例は経験ではありません。-------------------------------------------------------------------- 

あ
フェノバルビタール 特徴として錠剤・シロップ・粉など薬剤形態はさまざまなものがあります。

■フェノバルビタール 
  写真は猫の『てんかん』によく使用されるフェノバルビタールは長い使用歴史があります。猫の70%位のてんかんは抑えられます。一生投与する可能性のある薬物であること、また投与量と血中濃度がリンクしない場合もあり、ヒトでは血中濃度測定薬物です。猫でも同様です副作用を少なくする意味で、投与後は年1-2回の血中濃度と血液・生化学検査をお薦めします。
 

 この薬剤は3週間投与してやっと血中レベルが安定します。 普段は血中のレベル15-45μg/mlで安定していることが理想とされてますが、低濃度でも『てんかん』が抑制されていればよいです。オーバーしている場合は将来、副作用の肝障害になる可能性があり、フェノバルビタールの用量の調節、別の薬剤への移行を考慮しなければなりません。
 血中濃度の解釈を解かりやすく言えば、45μg/ml以上ある猫は、ヒトに例えればウイスキーのボトルを毎日飲んでいるような状態です。家庭でこんな酒の量を飲んでいれば注意されます。本当に肝臓が心配です。
 血液・生化学検査では肝臓の機能などが数値化して示されます。肝臓は神経がなく、症状が現れるのは末期が多いです。そのため早期の発見に検査は大切です。

 この薬剤を8年間、盲目的に投与して、血中濃度が60μg/mlになり、重傷な肝障害で死亡したケースが報告されていたことはありました。
 
 本院では長期に投与の症例で血液・生化学・血中濃度の測定をしてくれるオーナーは多くはいません。先日測定した2症例はフェノバルビタールの血中濃度は15μg/mlと58μg/mlでした。後者は用量を少しさげないといけないかもしれません。欠点として、副作用を少なくする意味で、検査は大切ですが費用がかかります。
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■ジアゼパム 
 猫では犬の違ってジアゼパムの長期投与が可能です。てんかん症例の場合はフェノバールで効果のない猫には、次の薬剤として使用しています。しかし注意事項があります。多くはありませんが投与後に急性肝壊死という病態が起こることがあり、必要に応じて、血液・生化学検査が必要です。本院では発生の経験はありませんが注意は必要です。90%の癲癇は維持可能です。獣医師により好き嫌いのわかれる薬剤です。
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あ
ゾミサミド製剤・ヒト用、犬用はあります。猫用はありません

■ゾニサミド 
 猫では多く使用されてませんが、投与は可能です。難治性てんかんに良い意見もありますが、錠剤は不味いらしく、猫はたべてくれないことが多いです。食欲不振になるケースもあります。

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あプレガバリン製剤

■プレガバリン
 難治性てんかんに使用されている薬剤です。まだ多くは使用させていないので詳細は不明です。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

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