小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.04.19更新

オダガワ■皮膚クルーム製剤使用で悪化したrabbitウサギの皮膚病


クルーム製剤1本院来院時の皮診 頚部です。

 ウサギの頚部の皮膚病です。東京都調布市からみえました。
他院で真菌検査が弱陽性になったため、抗真菌のクルーム製剤を皮膚に塗るよう指示されました。
しかし益々、悪化するため、天然保湿のクルームを追加処方されました。
しかしさらに痒みが増したて、初診より1ヶ月になり、動物病院を訪れるたび皮膚が悪くなるそうです。
そこでセカンドオピニオンで本院に来院しました。

 

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■クルーム製剤とは
 
クルーム製剤は軟膏に、界面活性剤を入れて製薬しています。界面活性剤は水になじみやすい部分(親水基)と、油になじみやすい部分(親油基・疎水基)の両極をもつ物質です。私達の皮膚にもこれらは使用経験があるように軟膏を皮膚に塗布するとべたついて気分がよくありませんが、クルーム製剤はべとつかず軟膏に比べてすっきりします。
 しかし、最大の注意点は界面活性剤の関係で、傷の深い部分に塗布すると痛みを生じて皮膚が悪化します。そのため表皮が欠損した皮膚病にクリーム塗布は禁止です。このことは以外に知られてません。クルーム製剤はいちでも塗布可能と勘違いしているケースは本院でもときどき診ます。ヒトの皮膚科医の専門医でも、表皮が欠損した真菌症に抗真菌クルームを処方され、診断があっているにもかかわれず、病態が悪くなるケースを二次診療で診るそうです。この症例は本院の初診時で皮膚の欠損が診られ、クリーム製剤を使用することはよくありません。

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book本院では

 以上の説明を行い、無処置にして14日後の再来院を指示しました。
しかしこのオーナーは遠方のため、再来院はありませんが、14日後に電話連絡はありました。
 これまで塗ったクリームの残存の関係か、その後7日間は状態は変わらなかったそうですが、14日たった現在は痒みもなく、皮膚の発赤も無くなりいい状態で過ごしていると喜んでおられました。

 またウサギの皮膚のように蜜に毛が生えている個体に、軟膏・クルーム製剤使用はよくないと私は考えます。私達もウサギの皮膚の構造に似ている頭部に軟膏・クリームを塗布する方はいないとおもいます。ウサギの場合。毛が薄く、皮膚が浅い場合はローション製剤の塗布は考えますが、、軟膏・クルーム製剤より経口剤を使用した方が副作用は少なくて済むようにおもいます。


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投稿者: オダガワ動物病院

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