小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2018.02.02更新

お
mouseハムスターの検便

 ハムスターはジアルジア・大腸蟯虫(Syphacia mesocriceti)・盲腸蟯虫(Syphacia obvelata)がときどき診られます。
購入後はぜひハムスターを診療している動物病院での検便をお薦めします。

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■ハムスター盲腸蟯虫、虫卵  ■ハムスター大腸蟯虫、虫卵

right arrow蟯虫の成虫は便に「しらす」がついたような状態で診られます。(ウサギの例、ハムスターもほぼ同様)

ハムスターでは蟯虫は大腸蟯虫・盲腸蟯虫(写真)がいます。
駆虫は回虫などと同じ線虫類なので、同様の駆虫剤を使用します。片利寄生性のためハムスターには害はないという意見もあります。

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■原虫

あ
原虫疾患はジアルジアとスプレノムクレウス(旧名 ヘキセミタ)が診られます。

これら原虫はハムスターには常在しており健康診断、また全身の状態悪化により、多く診られます。駆虫は抗原虫薬になります。


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■小形条虫(Vampirolepis nana
別名・ナナ条虫、矮小条虫
こ
 小形条虫、虫卵(44-62×30-55um)無色、楕円形
 小型条虫はright arrow円葉条虫に分類され、この条虫の特徴は唯一中間宿主がなくても生育可能な経路をもつことです。
また一般的な円葉条虫のように、この虫卵がノミ類やコクゾウムシなどの昆虫に食べられ、(中間宿主)体内で擬嚢尾虫という幼虫に発育します。それをハムスターが食べて小腸で成虫になる中間宿主の経由での生育もあります。
終宿主の片節は崩れやすいため、腸管内で虫卵に含有している六鉤条虫が擬嚢微虫に成長して、腸管内を逆流し、宿主を出ることなく次世代を開始する自家感染もおこす経路もあります
 
 診断は上記したように腸管内で片節は崩れやすいため、一般的に円葉条虫に用いられる片節の確認ではなく、検便で虫卵の発見が重要です。
これまで本院の診てきた症例は臨床症状はあまりませんが、自家感染が多かったり、汚染環境で飼育されていると、下痢、腸炎、また濃厚感染では死亡例の報告もあります。駆虫薬の投与がベストですが、腸管内の擬嚢尾虫には駆虫薬の効果は薄いので、検便で虫卵の有無をみながら繰り返す必要があります。寿命は比較的短く、4~6週間です。人畜共通の疾患ですが、日本での患者の発生は殆どありません。しかし幼児には注意が必要です。

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投稿者: オダガワ動物病院

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