小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2017.11.05更新

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正しい点眼法
◆正しい人への点眼薬の使用法は
①「目をパチパチさせない」可能から涙管を抑える。
②「1回に1滴だけ点眼する」
③「複数の目薬をさすときは5分以上の間隔をあける」
④点眼時に眉毛・睫毛に触れない、点眼薬を清潔にあつかう
という4原則守ることが大切です。また点眼後5分間は目を閉じて薬の成分を浸透させます。
 

 しかし調査では適切な点眼を実行している人はわずか5.8%です。

 ①点眼後、目をパチパチさせる方がで多く、目をパチパチさせると「目薬が目全体や患部に行き渡ると思うから」と勘違いしているみたです。
 
 ②眼薬の1滴は眼の中で効果ある適切な量ですが、3人に1人が2滴以上を点眼して過剰点眼でした。
 一部点眼液の説明書に1回1-2滴点眼の記載もありますが、点眼を失敗した場合も考慮して記載されています。 点眼は1滴で十分です。2滴点眼すると、2倍の効果なんて誤ったことは考えないで下さい。

 ③また2種類以上の眼薬を処方された場合、約5分以上の間隔を空けていない人も37.2%いました。

 ①②③の誤った方法で点眼すると、薬が眼から外に流れ出てしま い、十分な効果が得られません。

 ④また点眼メーカーに製品に異物が混入していたとクレームを付けた方もいたそうです。
 点眼液は薬事法で滅菌が義務ずけられており、点眼メーカーの点眼薬に異物は入ることはありません。
 たぶんこの方は眉毛・睫毛に点眼の先をつけてしまって異物が混ざったと推測されます。
 また点眼のキャップは清潔な場所に置くか、自身で持って点眼してください。キャップに付着したばい菌が点眼液に入ります。

 また一般的に点眼液は封を切ったら清潔に保管して1ヶ月以内の使用になります。
(薬剤により保管場所、有効期間は異なります。詳細は処方されたかたにお尋ね下さい。)

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■人の例ですが点眼液以外を点眼したケース
  一番右の青の薬剤はパニマイシンという点眼薬です。
 一番左のラキソベロンは便秘薬で水溶性の経口薬剤です。
入れ物が似ているのでヒトで誤って、この便秘薬を点眼してしまったケースもあるそうです。そのため写真が小さく見にくいですが、ラキソベロンの上に「眼に入れないこと」と記載されています。
 前記のような誤使用例が人ではあるので、ニゾラールローション(写真)(本来は外用の坑真菌剤)は薬剤の出るところをトロッコボール状にして、点眼剤とはまず間違わないような形式をとりました。

■まとめ 
 以上、ヒトが点眼薬を処方される場合も医師、薬剤師から点眼法は指示されますが意外と守られていません。


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■では動物の点眼法は
 オーナーはペットが眼の病気だと眼薬の処方を期待する傾向があります。動物により眼の大きさが異なり、また協力的でない場合もあり人より大変です。しかし協力的でない動物や目が小さい動物は点眼をしない選択も重要です。

◆正しい人への点眼薬の使用法を動物に応用すると、可能な項目と不可能な項目がありますが、点眼をおこなう場合は最大の効果を出す努力は必要です。回数・量・複数点眼のルールがわからず「正しい点眼」ができないで、眼が悪くなっている場合もあります。
 
 まず①の「目をパチパチさせない」、可能から涙管を抑える。これを動物で実施することはむりです。
 
 上記したように、人の点眼液のメーカーの説明書には片目に1回1-2滴との記載が多く書かれていますが、基本的に1回1滴で十分です。 メーカーの説明書には点眼に失敗した場合も想定内に入れて多く書いてあります。ペットのオーナーは早く疾患を治したいと考え動物に1回2-3滴点眼した方も診たこともありますが早く治りません。悪くなる可能性があるのみです。犬・猫・うさぎは人と眼の大きさが変わりませんので、上記のように1滴で十分です。 

 当然ですが点眼液は眼に入って効果を示します。周りの皮膚についても効能は示しません。眼から点眼液が溢れたり、またうまく点眼ができないで周りの皮膚についた場合は動物用のコットン(写真)でふいてください。
 
 ほおっておくと、痒みを誘発して、眼の回りがはげてしまったケースもあります(下記参照)。
 
 動物の性格がきつく、点眼できないときは掛かり付けの獣医師に早く相談してください。
 経口薬への変更などその動物の症状・性格にあったアドバイスをしてくれるとおもいます。


 本院では猫は写真のように動物の後ろに回って上眼瞼に点眼するよう説明させていただています。
 
 (写真の解説)ヒトでは点眼のキャップは点眼に使用しない片手に夾み床に置かないように指導されます。キャップは床に置くとばい菌が内側に付き点眼薬を汚染するためです。
 
 しかし協力的でない動物は写真のようにキャップを片手に夾めまない場合が多いです。そのためキャップはなるべく綺麗な所において下さい。 

 またヒトでは眉毛と点眼開口部位が付かないよう指導をうけます。動物も同様で、眉毛から点眼薬にばい菌は入る可能性があり、注意しておこなって下さい。
 しかし点眼を嫌がる場合もあり、なかなかヒトのようにうまくはいきません。


 

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投稿者: オダガワ動物病院

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