小鳥、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットと小動物の専門的な診療を続けてきた動物病院です。
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2017.10.31更新

 
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■ダニの種類(1)
dogマダニ(tick)とダニ(mite
 
 ダニは節足動物で、クモ、サソリの仲間になります。これまで約5万種が同定されていますが、全部が解明された訳ではなく、専門家の話では10万種はいると推定されています。しかしヒトや動物に悪影響を示すのはそのうちわずかです。
 
 古い分類になりますが、気門(ヒトで言う呼吸器)の位置などに基づき,背気門亜目、四気門亜目、前気門亜目、中気門亜目、後気門亜目、隠気門亜目、無気門亜目の7亜目に分類されます。
 
筆者はこの中で、無気門亜目(チリダニ、コナダニ、ヒゼンダニなど)、前気門亜目(ツメダニ、ツツガムシなど)、中気門亜目(トリサシダニ、ワクモなど)、後気門亜目(マダニなど)の4亜目が動物診療に大切と考えています。

 なおダニの簡単な分類すると英語名で説明するのが一番わかりやすいと思います。
英語で『ダニ』は聞かれるとマダニ類は英名で『tick』また『mite』 をおもい浮かべる方が多いとおもいます。
無気門亜目、前気門亜目、中気門亜目は『mite』で、後気門亜目のマダニ類は『tick』に区分されます。
これらは、媒介する疾患、right arrow駆虫剤、主栄養素が異なる場合が多くあります。

 ■なぜマダニは予防が大切か

 マダニ予防の大切な点は、媒介する病気が多い点にあります。
犬は痒みを生じることがおおく、重度になると貧血もおこします。

 ヒトには犬などに感染しているマダニや、また野外作業、アウトドアー等で、マダニの生息場所に立ち入ことにより咬まれて感染します。
平成23年にright arrowSFTSウイルスが発見され、マダニ類の5-15%がこのウイルス感染していることが示されています。ヒトがこのウイルスに感染すると主に血小板の減少がおき。高齢者を中心に約20%が死亡します。そのためよくニュース・バラエティー番組でも取り上げられます。最近の見解では犬自身がright arrowSFTSウイルスに感染する場合も報告されています。
感染が西日本に偏っていますが、関東でも注意は必要です。
 
 他に西日本ではdogright arrow犬バベシアの感染も診られます。海外ではエールリヒア症もあり、マダニ関連疾患の診断には、渡航歴などの聞くことも大切です。
また本邦では多くの発生はありませんが、ヒトのマダニ媒介感染症としてライム病、日本紅斑熱、ダニ媒介脳炎などがあります。

■マダニ類、後気門亜目のダニ類、『tick』
 
 後気門亜目のダニ類 『tick』は主にマダニ類の感染を指します。
マダニ類はマダニ科(マダニ属Ixodes、チマダニ属 Haemaphysalis 、キララマダニ属 Amblyomma 、コイタマダニ属 Rhipicephalus 、カクマダニ属 Dermacentor など)があり、
 日本国内にはマダニ科6属とヒメダニ科2属の計2科8属が生息して、各種哺乳動物,鳥類や爬虫類などに寄生します。
 
 『mite』は主に表皮のカスや組織液を食べて生活していますが、マダニは血を吸うことに特化した生き物で血液を栄養源に生活しています。 またマダニには種特異性が強くなく、血液ほしさに、他の動物やヒトを刺す場合もあります。
 
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 マダニの生態

 
camera写真1)

 分類学的にはダニ目マダニ亜目(以前は後気門亜目と呼ばれていた)に属し、
ふつうのダニ『mite』との相違は
『①口下片に逆行性の歯状突起をもつ、②第一脚末結節にハラー氏器官(感覚器)をもつ、③気門が第3脚、第4脚基節付近に開口する』の3点で異なります。

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 camera写真2.3)
 
 草から動物に飛びつくには最適な高さ(高さ20-30cm位)の森林や草地などの葉の裏で生息しています。(camera写真2,3参照)よってどこにもある自宅前の草むらにもマダニは潜んでいます。
 
 血液が栄養源なので、第一脚を左右に前方振って、動物の接近に感度をあげて潜んでいます。イノシシ、シカ、犬、ヒトなど二酸化炭素が多い獲物が来たと感じると第一脚の先端にある「ハラー氏器官」が検知して、飛つき動物の皮膚に感染します。
(参照、実験でシャレーにマダニを入れて、息をかけると活発に動き回ります。)
 
 
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camera写真4)犬のマダニ感染

  野外での感染が殆どなので、主に屋外犬(写真4)に多く見られます。マダニは種特異性が強くないため、屋外飼育なら、猫、ウサギも感染はします。
 室内布飼育の犬、猫、ウサギなどはマダニに感染する可能性は殆どありません。

 皮膚に感染してもすぐに吸血はしないで、適した場所を探します。(2時間位皮膚の上を歩く場合もあります)
犬では耳介、鼻の周りなど皮膚の柔らい場所が好みで、マダニの頭部を皮膚に食い込んで吸血します。吸血期間は生涯約20日といはれています。

 そのためマダニ感染はオーナーが肉眼で発見され来院するケースが多いです。また黒い腫瘍ができたと勘違いして来院するケースもありました。(写真4、5参照)

発見されたら絶対潰さないで、そのままの状態で動物病院に来院して下さい。

right arrow動物病院ではマダニ専門のピンセットでとります。

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あcamera写真5)TBSテレビより

 吸血する部位が決まったら、睡液に含まれる酵素で皮膚を溶かし、また鋏角と言う針のような物で動物の皮膚を切開します。このとき局所麻酔様の物質をだしているため痛みはありません。次に口下片という横に棘をもった突起物をその穴に押し込みます。すると口下片の鉤状の歯と鋏角にから、セメント様物質が出てマダニが皮膚に固定され、落下できなくなります。その状態で知らぬ間に吸血されます。そのためマダニを発見しても外れにくく、強引にとるとマダニの頭部は皮膚に残ります。(写真5参照)

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あ
camera写真6)メルク社資料より

 動物に寄生するマダニは3宿主性で、幼ダニ(3-4日)、幼ダニ吸血(数日-10日)、落下して脱皮(10-18日)、若ダニ吸血(数日-10日)、落下して脱皮(12-20日)、雌成ダニ吸血(数日-10日)、そして皮膚からおちて産卵します。(写真6参照)

あcamera写真7)、卵、幼ダニ、若ダニ、成ダニ4期の発育期があり、卵期を除く各発育期のダニは吸血します。
写真7、右2つは若ダニ、左3つは成ダニです。


 3年の寿命のうち幼ダニ、若ダニ、成ダニ期、各吸血期間は1ステージ当たり、数日から10日です。3回合計で生涯約20-30日間吸血しています。しかしヒトで40日間吸血したケースもあり個体差はあります。

あcamera写真8)平成17年10月3日、毎日新聞

 雌成ダニで血を吸うと100倍、約3cmの大きさのもなり血を沢山蓄えられる構造になっています。吸血量は48時間以後に最高になります。逆に1匹の成ダニが飽血状態に達すると吸血された動物は5mlの血を失います。(写真8参照)
 
 家庭の埃内にいてアトピーの原因になるコナヒョウヒダニは0.3mmですが、マダニは2mmから条件によっては30mmにもなります。

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投稿者: オダガワ動物病院

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