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小鳥の症状の捉え方

小鳥と哺乳類の症状の違い

まず小鳥は動物病院も含めて環境がかわるとわざと元気がでたように振る舞います。動物病院に入り一歩も動かず寝ている鳥は相当悪いです。飼い主のなかにはせっかく動物病院につれてきたのだからすぐにわかってもらわなければならないという方がいますが、これはとんでもない素人考えです。鳥は環境が変わるとストレスホルモンを分泌して、あたかも元気そうに振る舞います。ストレスホルモンの分泌している期間はオオムで1週間位といわれています。即ち病気なのにストレスホルモンの影響でわざと元気そうに振る舞っています。 本院に入院している鳥をみても、治療が功する場合をみると、初日は元気で3〜7日間沈んでいて、そこから元気になることがみられます。(当然途中死んでしまう鳥もいますが)

小鳥は症状のつかみ方が乏しい動物です。「よくどのような状態で病院につれていけばよいか」と質問をうけますが、昼から寝ている位で早めに鳥を診てくれる病院につれていって下さい。いわゆる鳥の飼い方と本の一部には落鳥したら病院につれて行くようにとの記載がありますが、落鳥することは、人に例えれば親戚を集めて下さいと言われる位の状態です。そのような状態で病院につれてきていただいても、治療する獣医師は一生懸命おこなっても助かることが多くはないのが現状です。昼からの居眠り、このことをよくおぼえておいて下さい。

このことを裏づける実験があります。図1をご覧下さい。これは朝7時から夜7時まで明るく、夜7時から朝7まで 暗いところでセキセイインコを飼育しました。見ていただければわかるように、活動量、体温は昼間に高く、夜間に低いルズムを示しています。すなわち活発に動いていて当たり前に昼間の時間滞に、居眠りしているだけで、相当具合が悪いのです。犬猫は暇なときは横になりますが、鳥が横になるときは死ぬときです。すなわち人、犬、猫は具合が悪いと顔色をみますが、鳥はそれではだめなんです。とくに飼い主の前では元気に振る舞うことが多くありますので飼い主の視線を感じていない時の居眠り、これが最も重要なバロメーターです。

テレメトリーシステム

テレメトリーシステム
朝7時から夜7時まで明るいところに、夜7時から朝7時まで明るいところにセキセイインコを飼育したときの体温、心拍数、活動量の測定した。
明るい時間帯には体温、活動量は高く、暗い時間帯には低い、昼行性ルズムを示しました。それは明るい時間帯にセキセイインコが居眠りをしているだけで具合が悪い証拠である。

保温の必要性 なぜ保温が必要なのか

具合の悪い鳥がきたらなにが一番重要か言えば保温です。飼い主のなかには、せっかく病院にかかったのだから、薬をちょうだいと言う人がよくいますが、これは大間違いです。(決して薬が無意味と言うわけではありません。)私たち人を例にとって説明すれば、脚を骨折しても、かぜをひいてもベットに横になって静養することが重要です。脚を骨折してうろうろしていたら治りが悪くなるのは誰でもわかります。またかぜを引いても無理をすれば余計に悪くなることもわかります。まずは暖かくして寝ていることが大切なことは誰でもわかっています。

鳥の場合それがどのようなことに当てはまるかと言いますと、28〜30度の保温に相当します。また日本でよく飼われているセキセイインコを始めとする鳥類は、原産地は暖かいところが多く、日本のように春夏秋冬があるわけではないのです。即ち日本の冬のような寒いところでは相当こたえていることが現実です。我々人は寒ければセーターを着たり、オーバーを着ることができますが、鳥はそれができないので、人以上に保温が重要なのです。「薬をちょうだいと言う人がよくいますが、これは大間違いです。」と書きました。例えば12月の寒いとき、薄着で外に出て、医者からの薬を飲んでカゼが治ると思っている人はいないように、暖かくして休み、医者からの薬を飲んでカゼが治るよう、きちんとした保温が重要です。

鳥は外気温が低くなれば、体温を維持するため体を振るわせて、筋肉運動を利用し、熱を産生します。また外気温が高くなれば、呼吸数を増して、肺からの水分の蒸散時の気化熱を利用して体温をさげようとします。鳥は発熱期間が極端に短く、エネルルギーの枯渇と虚脱熱に移行しやすくので、エネルギー消費の最も少ない温度帯が必要になります。年間を通じて20〜30度の温度が必要になります。これはそのような状態の鳥であり、たいていの鳥は25〜29度が必要になってきます。

体温グラフ

イエスズメに各温度による呼吸数の変化を表した。注意して頂きたい点は30度は適温だが33度を越えると呼吸数が上昇し熱射病の兆候が現れる。また28度を割ると筋肉の震えによる熱で少々呼吸数があがる。全体を28〜30度にできるような保温が理想である。

小鳥の保育器

本院に入院している小鳥・保温効率を考え水槽の中で飼育され、30度の保育器に管理されている。餌が回りにまかれ、具合の悪い鳥でも食欲がでるよう工夫されている。必要に応じて薬物の投与、強制給餌が行われている。

一番理想なのは赤ちゃんの入る保育器です。そのためあの先生は鳥をよく診てくれるといわれる病院には保育箱があるわけです。裸電球のように、一方からの保温は放射熱を招き、鳥の前方は30度になるが、後方は24度位になり、鳥に一番よくない温度変化を生じます。自宅で保温する場合、鳥かごの回りをビニールで囲い、ヒーターを30度にフルオープンして、鳥籠を1.5メートル位のところにおく位にが限界でしょう。しかしこれでも理想の保温の50%位しかできません。

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